【東京】天気と体の関係は予防医療に通じる。医師も気象病の知識を持つべき-福永篤志・公立福生病院脳神経外科部長に聞く

2020年03月06日
気象病・天気痛
erry15092552_TP_V4.jpg

気象変化を一つの切り口として疾患を捉え、その治療法や予防法に関するニュースです。


【東京】天気と体の関係は予防医療に通じる。医師も気象病の知識を持つべき
福永篤志・公立福生病院脳神経外科部長に聞く

2020年3月6日 m3.com
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/729383/

頭痛、目まい、気管支ぜんそく、関節痛など、気象の変化と関係があると考えられる体の病症の総称「気象病」
脳神経外科医である福永氏は、気象病のうち少なくとも脳卒中は予防できると信じ、
日々の診察で患者に注意を促している。
気象変化を一つの切り口として疾患を捉え、その治療法や予防法を研究する福永医師に、
医療従事者が心得ておくべきことや今後の展望について聞いた。
(2020年1月29日インタビュー、計2回連載の2回目)


――気象の変化が体に与える影響についての知識は、医師や患者にどのようなメリットがありますか。

まず医師は、天気予報を見てどのような患者さんが増えるか予測できることと、
患者さんに気象病予防のための療養指導を行うことができることがメリットだと思います。
私たち医師は自分の診療科の病気について、「診断」「治療」「予防」の3本柱を極めなくてはなりませんが、
効果を実感できない「予防」については、どうしても手薄になりがちです。
確かに、がんなど病気によっては完全には予防できないかもしれません。
でも、よく考えてみれば、病気にならないこと、病気を避けることが、
実は患者にとっての最高の医療なのではないでしょうか。

患者側のメリットとしては、医師からアドバイスを受けることで、気象病の予防に努めることができます。
それだけでなく、認知症の初期症状の一つとして周囲への関心の低下が挙げられますが、
毎日何気なく見ていた天気予報を注意して見るようになり、服装選びに気をつけることで、
認知症の予防につながる可能性もあるわけです。

――医療従事者は一般に気象病をどのように捉えているのでしょうか。

気象病は医学部では教えないので、常識の範囲内での知識を持っている程度ではないでしょうか。
とはいっても、私のように気象予報士の資格を持つ医師は全国に100人以上はいると思いますから、
関心を寄せている医師は多いようです。
以前、看護師向けの雑誌に気象病についての特集を担当させていただいたことがあるのですが、
その反響から看護師の関心も高いと感じました。

――なぜ、医学部では気象病について教えないのですか。

気象病が学問として成立しにくいのは、証明度が低いからです。
医学はEBMが主流ですから、実験の上で成立するかどうかを検証しなければいけない。
要するに前向きな研究をしないといけないのですが、
気象病については、どうしても患者が出たときに「なぜ起きたのか」という後ろ向きな研究になってしまう。
だから証明するのが難しいというのが一番ですね。
もう一つは、天気が良かろうが悪かろうが、気圧が高かろうが低かろうが全く症状が出ない人がいる。
個人差が大きいのでデータにしづらいんです。

ですが、気象病に関する医学論文はたくさんありますから、そういった論文をベースに、
今後、気象病も学問として成熟していくと思います。

――福永先生ご自身が独自に研究されていることはありますか。

当院には神経内科の常勤医がいないので、脳梗塞患者の診療は全面的に脳神経外科で対応しています。
そこで、過去約10年間のrt-PA療法施行症例の分析を行ったところ、
当初の目的とは別に、脳梗塞発生と気象との関連性に気が付きました。
本来の主題は今年3月(8月に延期予定)の脳卒中学会で発表予定で、
脳梗塞の気象関連性については現在さらに詳しく調査しているところです。

また、目まいも脳神経外科が対応しているのですが、目まいは多湿
耳鳴りは低温で起こりやすいといった研究結果(北島尚治,日生気誌55(2):83-89, 2018)等から、
メニエール病をはじめとする目まい症も気象病の一つと考えられていて、今後の研究対象と考えています。

――気象病について、医療従事者が心得ておくべきことは何でしょう。

やはり気象病に関する知識はある程度、持っていた方が良いのではないでしょうか。
そして外来に来られる患者さんに、やさしく説明する習慣が必要だと思いますね。
天気は共通の話題なので話しやすいですし、注意喚起として情報を発信していくといいと思います。
看護師さんは患者さんと接する機会が多いので、そのことはより身近に感じてらっしゃるでしょう。

――今後の展望を教えてください。

超高齢社会では、高齢者の活躍が期待されています。
年を重ねても自由に働き続けられるように健康寿命の延伸に取り組まなければいけません。
私は、できる限り元気で長生きするためには気象病予防が役立つと考えています。
特に脳と心臓の病気は生命に関わるので、天気と体の関係を理解して予防することが重要です。

健康寿命を延ばすためにも、まずは気象病の診断、治療、予防についての
情報共有や情報発信を図っていければと思っています。
そのためには、気象によって体にどういう変化が起こるのかという
基礎的な部分を掘り下げて勉強することが求められますし、
医学部での気象病教育も必要だと感じています。

――最後に、読者にメッセージをお願いします。

若いころは、目の前の患者さんの診療に精いっぱいで余裕も少なかったのですが、
経験を重ねていくと、医師としての使命、社会的役割を痛感していくようになります。
もちろん患者の診療が第一ではありますが、医師への教育や啓蒙活動の方が、
社会への効用は何倍も大きいと思います。
なぜなら、一人の医師は何千人、何万人もの患者の診療に当たるからです。
私たち医師同士がお互い切磋琢磨し、情報を共有し、自ら精進を重ねて、
病気の診断、治療、予防の3つの柱を生涯学び続け、
世間に発信することが最も重要ではないかと考えています。

◆福永 篤志(ふくなが・あつし)氏

公立福生病院脳神経外科部長。1992年、慶應義塾大学医学部卒業。
慶應義塾大学医学部外科学教室に入局後、平塚市民病院、
大田原赤十字病院(現・那須赤十字病院)、
済生会神奈川県病院で脳神経外科臨床医として勤務。
2002年より慶應義塾大学医学部脳神経外科臨床助手
および医学部研究員として、高次脳機能に関する研究を行う。
2007年大東文化大学法科大学院(ロースクール)卒業。
その後、立川病院脳神経外科医長を経て2018年より現職。
主な著書に
『その症状は天気のせいかもしれません 医師が教える気象病予防』(2015年、医道の日本社)、
『トラブルに巻き込まれないための医事法の知識』(2014年、医学書院)
医学博士、気象予報士、法務博士。

【取材・文・撮影=増渕 結花】
スポンサーサイト



気に入ったらシェア!

のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
先進医療実施 診断基準(2012年) (1)
学校における脳脊髄液減少症(文部科学省) (1)
子どもの脳脊髄液減少症 (10)
起立性調節障害 (6)
体位性頻脈症候群(POTS) (5)
HSC(ハイリーセンシティブチャイルド) (3)
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン) (1)
障害年金 (9)
交通事故損害(書籍) (1)
自賠責保険 (2)
マイナンバーカード (1)
脳脊髄液減少症(news) (30)
脳脊髄液減少症(研究) (7)
脳脊髄液減少症(患者) (36)
脳脊髄液減少症(芸能人) (4)
脳脊髄液 (21)
新型コロナウイルス (37)
新型コロナウイルス後遺症 (5)
宇宙飛行士と脳脊髄液の関連 (9)
脳神経 (16)
慢性硬膜下血腫 (2)
医療news (33)
医療機器 (7)
整骨院・整体院・カイロプラクティック事故 (1)
書籍 (4)
健康機器 (1)
サプリメント・健康食品 (7)
医薬品news (20)
┣  薬剤性ジストニア (1)
┣  ベンゾジアゼピン系受容体作動薬 (4)
┣  ベンゾジアゼピン離脱症候群 (1)
┣  リリカ(鎮痛薬) プレガバリン (3)
┣  デパス(向精神薬) (2)
┣  レンドルミン(睡眠薬) (1)
┣  モーラステープ(光線過敏症) (1)
┗  タリージェ(疼痛治療薬) (2)
社会news (8)
朝日 健康・医療フォーラム2019 (4)
脳脊髄液減少症の問題点 (7)
厚生労働省認可病院の現状 (1)
患者の体験による発症原因と症状 (5)
検査方法(熱海病院の参考例) (1)
保存的療法(初期段階治療) (1)
国際医療福祉大学熱海病院にて診断確定 (3)
ブラッドパッチ治療後の安静期間と始動 (2)
┗  ブラッドパッチ治療後の腰痛 (1)
ブラッドパッチ治療後の症状 (24)
アートセレブ(人工髄液)1回治療 (5)
経過観察と苦悩 (35)
心の葛藤 (11)
経済的困難の苦悩 (3)
生活不活発病(廃用症候群) (2)
┗  介護用品が必要となった日常生活 (1)
リハビリ(前半) (14)
リハビリ(後半) (10)
リハビリのまとめ(完結) (1)
リハビリ+α (10)
社会復帰への第一歩 (1)
運動リハビリ(運動療法) (16)
┣  家事はリハビリに最適 (1)
┣  水中ウォーキングの注意点 (1)
┣  イメージトレーニング (1)
┣  体幹スロートレーニング (1)
┣  セロトニン分泌(リズム運動) (2)
┣  エンドルフィン分泌(音楽療法) (2)
┣  デュアルタスク(脳疲労) (1)
┣  体水分循環(頭痛・疲労倦怠感・むくみ) (1)
┣  インターバル速歩(脳疲労・疲労倦怠感) (1)
┣  スロージョギング (1)
┗  ヨガ・太極拳 (3)
サプリメントより食事内容(質)の大切さ (12)
┣  食事療法(アミノ酸・たんぱく質) (2)
┣  アミノ酸・炭酸水・クエン酸・ミネラル (2)
┣  腸内細菌(脳腸相関) (3)
┣  下痢(食事療法・運動) (2)
┣  イミダペプチド(抗疲労効果) (1)
┗  乾燥生姜(体の痛み・冷え症) (1)
糖質制限 (2)
口腔アレルギー症候群(OAS) (1)
サプリメント情報(脳脊髄液減少症) (4)
水分補給・脱水 (9)
カフェイン・アルコール (3)
五苓散の利水効果 (1)
パソプレッシンホルモン(尿量の調整) (1)
天気・気圧・湿度の影響 (8)
気象病・天気痛 (5)
花粉症 (4)
┣  光線過敏症 (1)
┗  寒暖差アレルギー (1)
化学物質過敏症・電磁波過敏症 (7)
慢性連日性頭痛・目の奥の痛み (9)
起立性頭痛 (2)
片頭痛 (8)
労作性頭痛 (1)
耳の冷えによる機能性頭痛 (1)
後頭部と耳の後ろが痛い大後頭神経痛 (1)
頭部アロディニア (2)
┗  頭部抜け毛・白髪・皮膚乾燥 (1)
ベル麻痺 (1)
石灰化上皮腫 (1)
自律神経 (5)
動悸・手の振るえ(振戦)チック症状  (2)
心臓・動脈硬化・スモールハート (1)
高血圧 (3)
微熱・悪寒・高熱 (1)
冷え性・体温調節機能・汗腺機能 (6)
疲労・倦怠感・易疲労 (5)
脳疲労・ブレインフォグ (9)
睡眠障害 (9)
睡眠相後退(前進)症候群 (1)
不眠・過眠・ナルコレプシー(オレキシン) (9)
むずむず脚症候群 (1)
高次脳・視空間認知力低下 (1)
めまい・吐き気・動悸 (4)
眼前暗黒感のめまい (1)
光過敏・複視・霧視・残像・視力低下 (2)
緑内障 (6)
加齢黄斑変性 (2)
目の不調は脳が原因 (12)
┣  眼瞼・顔面けいれん (1)
┣  眼球使用困難症 (2)
┣  中枢性羞明 (3)
┗  アーレン症候群 (2)
聴覚過敏・車酔いとめまい (1)
耳鳴り (4)
耳菅開放症 (2)
外リンパ瘻 (2)
メニエール病 「中耳加圧治療」 (2)
APD・聴覚情報処理障害 (1)
鼻詰まり (1)
味覚 (1)
嚥下障害 (1)
非歯原性歯痛 (1)
口内炎・ヘルペス・口角炎・味覚障害 (2)
歯肉炎・親知らず抜歯・ドライマウス (1)
顔のしびれ (1)
顎関節症・三叉神経痛・噛み締め (2)
慢性上咽頭炎・EAT(上咽頭擦過療法) (2)
咽頭痛・異物感・息苦しさ・期外収縮不整脈 (1)
リンパ扁桃腺の腫れ・下顎と首のしこり (1)
長引く咳・むせる咳・咳喘息との関連 (2)
甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病) (1)
帯状疱疹 (1)
座位・起立・労作不耐・末梢神経障害 (1)
胸郭出口症候群 (3)
梨状筋症候群 (2)
頚椎症・ストレートネック (1)
肩・肩甲骨・背中・手足の痛み (4)
トゥレット症候群と不随意運動 (1)
血糖値上昇 (2)
反応性低血糖症 (1)
副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
過敏性腸症候群(IBS) (2)
潰瘍性大腸炎(UC) (3)
頻尿・膀胱炎 (3)
┣  ED症状 (1)
┗  女性化乳房症(男性) (1)
無痛分娩・帝王切開(硬膜外麻酔) (4)
┣  月経前不快気分障害「PMDD」 (1)
┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
経頭蓋磁場刺激法(TMS) (3)
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
経頭蓋直流刺激(tDCS) (1)
むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
椎間板ヘルニア (1)
パーキンソン病 (3)
認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
ヘルプマーク (3)
不定愁訴 (5)
インフルエンザ (1)
ドクターショッピング(一部のみ) (8)
コメント受付中断のお知らせ (2)
プライベート (5)
ひとりごと (4)
12月は自分の生き方を振り返る (4)
命とは生きるとは (6)
年末・年始の感謝とご挨拶 (12)
ごあいさつ (1)