【富山】線維筋痛症患者は200万人。医療界の認識がまだまだ足りない-神谷和男・高岡整志会病院麻酔科・痛み緩和診療部長に聞く◆Vol.2

2020年04月17日
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症
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連載の2回目、富山県高岡市にある医療法人社団整志会沢田記念高岡整志会病院の
「痛み緩和外来」での線維筋痛症に関する2回目のニュースです。


【富山】線維筋痛症患者は200万人。医療界の認識がまだまだ足りない
 神谷和男・高岡整志会病院麻酔科・痛み緩和診療部長に聞く◆Vol.2

2020年4月17日 m3.com地域版
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/740536/?category=news

全身のあちこちに耐え難い激痛が走る「線維筋痛症」。
耐え難い症状にも関わらず、血液検査やCT、MRIでは明らかな異常が見つからない。
医療関係者の中でも認知度は低く、診断までに時間を要する患者も多い。
医療法人社団整志会沢田記念高岡整志会病院では「痛み緩和外来」を設立し、
神谷和男氏が線維筋痛症をはじめとした慢性痛の治療に取り組んでいる。
今回は痛み緩和外来での治療方針や線維筋痛症の治療を始めた背景、
今後の展望などについて、話を聞いた。(2020年2月7日インタビュー、計2回連載の2回目)


――痛み緩和外来での治療は、どのように進めているのでしょうか。

痛み緩和外来には、初診の患者さんはそういません。
ほかの病院で検査や入院をしても治療ができず、当院に紹介されるケースがほとんどです。
もちろん院内で手術をした後に、うちの外来を受診されることもありますが。
治療を開始するにあたりまずは、患者さんの話を聞くことが最優先です。
どこがどのように痛むのか、詳しく聞きます。
たとえ肩こりひとつでも触ってみないことには原因は分からないので、触診も大切にしています。
エコーもよく使用しますね。内服治療やトリガーポイント注射、最近流行りの筋膜リリースなど、
患者さんに合わせた治療を行っていきます。
線維筋痛症の患者さんはこわばりが強い傾向があり、筋膜リリースは効果があることが多いようです。


――地域の病院や診療所、介護施設などとどのように連携していますか。

院内には地域医療福祉連携室があり、地域の病院や介護・福祉施設と各々の役割を分担して連携しています。
研修会にも参加しています。
当院は急性期病院なので、例えば腰の手術をした患者さんだと、早くて10日余りで退院し次の病院に移ります。
ただ、半数の患者さんは県外から来られるので、手術後に当院で再診することは難しいです。
そのため、患者さんの退院後を考慮し、入院前から県外の病院とも連絡を取って
転院の段取りをしつつ治療を進めています。


――痛み緩和外来で診療していて、患者さんの反応はどうですか。

線維筋痛症の診断を受けた患者さんの反応は、安堵する方と、落ち込んでしまう方の二通りに分かれます。
ほかの病院で診断されず何時間もかけて当院に来られた患者さんは、
「やっと診断してもらえました」と口にすることが多くあります。
その一方で患者さんはずっと痛みに耐えてきたので、
「治療さえすればすぐに治る」と思われていることも多いようです。

急性痛の患者さんは適切な治療をすればすぐに治ることも多いのですが、
慢性痛はそう簡単には治りません。
合う薬を探して、副作用がなかったら少しずつ薬を増やしていって、
根気強く治療を続けていくしかありません。
治りにくい線維筋痛症だと診断され、落ち込んでしまうのも分かります。
それでも治療を続けていると、「先週よりも良くなった」と言ってくれる患者さんもいます。
そういうときは嬉しいですし、やりがいを感じますね。


――線維筋痛症の治療はいつから行われているのでしょうか。

2007年ごろ、著名人が線維筋痛症になったという話がありました。
意識しだしたのはそのころからですね。
ちょうどその時期、胸郭出口症候群の患者さんがおられました。
はじめは腕の痛みだけだったのが、だんだんと全身の痛みを訴えるようになり、
「この人は線維筋痛症かもしれない」と思い始めたのです。

当時すでに線維筋痛症に関する本が何冊か出ていたので、それを読んで勉強しました。
学会で発表されている先生もおられて、直接治療法について聞きに行ったこともあります。
2013年にようやく「線維筋痛症診療ガイドライン」ができて、治療の基礎が整いました。
現在はプレガバリン(リリカ®)とデュロキセチン(サインバルタ®)という保険適応の薬も出ています。


――線維筋痛症の診療における現状の課題は何ですか。

線維筋痛症は推定200万人の患者がいると言われていますが、
医療の中でもまだまだ認識が足りません。
著名人が線維筋痛症を公表したことで少しずつ注目はされており、
ペインクリニック学会でも線維筋痛症のセッションを聞く人が増えてきました。
しかしそれでも、線維筋痛症の症状を「気のせい」「病気ではない」と言う医師も少なくありません。

確かに線維筋痛症は検査に何も異常が出ないのがひとつの特徴で、
目に見えない痛みを相手にするので難しいところもあります。
県立中央病院に勤務していたころは、月に1度「ペインビジョン」という痛みを数値化する機械を使っていました。
骨折の痛みが約700なのに対して、線維筋痛症はそれ以上の数値が出ます。
最高で3600を出した患者さんもいて、それでも「普段の痛みよりは大したことない」と言っていました。
その患者さんは、痛みが酷いときは失神することもありました。
ペインビジョンは実際に身体に刺激を与えることで、自分が感じている痛みを測っています。

普通の人に線維筋痛症と同じ数値で刺激を与えようとしても、
到達する前に耐えられなくなるはずです。
数値を見ると、気のせいで終わらせて良い病気じゃないことがよく分かります。
それくらい、線維筋痛症は痛い病気なんです。
まずは世の中に認知を広げて、医療関係者や患者さんのご家族に
線維筋痛症の辛さを理解してもらいたいですね。


◆神谷 和男(かみたに・かずお)氏
1988年富山医科薬科大学(現富山大学)医学部を卒業し、医師免許取得。
富山県立中央病院に勤務し、ペインクリニックを学ぶ。
2015年7月より医療法人社団整志会沢田記念高岡整志会病院に赴任。
痛み緩和外来を設立し、現在に至る。
日本麻酔科学会専門医、日本ペインクリニック学会専門医。

【取材・文・撮影=坂田汐里】
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のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
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副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
過敏性腸症候群(IBS) (2)
潰瘍性大腸炎(UC) (3)
頻尿・膀胱炎 (3)
┣  ED症状 (1)
┗  女性化乳房症(男性) (1)
無痛分娩・帝王切開(硬膜外麻酔) (4)
┣  月経前不快気分障害「PMDD」 (1)
┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
経頭蓋磁場刺激法(TMS) (3)
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
経頭蓋直流刺激(tDCS) (1)
むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
椎間板ヘルニア (1)
パーキンソン病 (3)
認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
ヘルプマーク (3)
不定愁訴 (5)
インフルエンザ (1)
ドクターショッピング(一部のみ) (8)
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