新型コロナの重症化を防いだ「漢方薬」とは? 専門学会が注意喚起も

2020年08月03日
新型コロナウイルス
RED1211033_TP_V4.jpg

新型コロナの重症化を防いだ「漢方薬」に関するニュースです。


新型コロナの重症化を防いだ「漢方薬」とは? 専門学会が注意喚起も
2020.8.1 伊波達也 週刊朝日
https://dot.asahi.com/wa/2020073000024.html?page=2

新型コロナウイルスの治療薬の開発が世界中で期待されているが、
中国では武漢での流行初期から、感染患者に漢方薬を用いて重症化を抑えたという。
果たしてどんな漢方薬なのか? 日本での処方は可能なのか? 専門医に取材した。

中国・武漢での発生に端を発する、新型コロナウイルス感染症。
日本で現在使える薬剤は、重症例に対するレムデシビルとデキサメタゾンのみ。
そのほかは、まだ臨床試験で有効性・安全性を確認できていないため、承認されていない。

一方、中国では、西洋医薬に加え、漢方薬を用いることで、
早期に新型コロナウイルス感染症を鎮圧したとされている。

3月23日、武漢での記者会見で、国家中医薬局・余艶紅氏は、
同薬はコロナ感染患者の91.5%に当たる7万4187人に用いられ90%以上の患者に有効だったと報告した。
軽症もしくは中等症の患者に有効で、重症化するのを防ぎ、死亡者を少なくしたということだ。

東海大学医学部付属東京病院で漢方外来を持ち、国際東洋医学会理事の永井良樹医師はこう説明する。

「中国で新型コロナウイルス感染症に対して用いられたのは
清肺排毒湯(せいはいはいどくとう)』という漢方薬です。
中国では有史以来、数限りない流行性感染症に見舞われてきましたが、
その病気を『傷寒』と呼び、古人の教訓や薬方を集めて、約2千年前に『傷寒卒病論』が作られました。
清肺排毒湯はそこに根拠を置く薬で、新型コロナウイルス感染症も『傷寒』と考えたわけです」

清肺排毒湯は、大青竜湯(だいせいりゅうとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、五苓散(ごれいさん)、
射干麻黄湯(やかんまおうとう)、橘皮枳実生姜湯(きっぴきじつしょうきょうとう)
の五つの漢方方剤を合わせ、
それに幾つかの生薬を去加したもの。日本でも保険で使える生薬の組み合わせでほぼできる。

「清肺排毒湯を処方することで湖北省の複数の仮設病院のなかには、
入院患者564人のうち一人も重症化しなかった院もあり、
他院も重症化率は2~5%だったというのです」(永井医師)

4月17日、北京中医薬大学王偉副校長は国務院での記者会見で、
「清肺排毒湯は新型コロナウイルス感染症の特効薬だと考えている。
国内外の研究者が他の治療方法と比較研究することを歓迎する」と述べている。

日本では、こういった漢方薬は用いられないのだろうか。

「日本ではPCR検査で陽性と診断されたら、隔離されますが、
隔離先の大きな病院ではほぼ漢方薬は処方されないでしょう。
医療従事者の多くが西洋医学に基づいて診療しており、漢方という選択肢がないからです」(同)

西洋医学では臨床試験で有効性・安全性を確認できて初めて薬剤の使用が承認される。
こうした科学的根拠(エビデンス)に基づく考え方は、
新型コロナのような人類が初めて遭遇する感染症に対しては通用せず、遅きに失する可能性がある。
漢方は「傷寒」に対して用いられ、西洋医学の対応できない部分に対応したといえる。

そんななか、日本でも一部の医療者は中国の対応に注目し、
清肺排毒湯を処方する医師もいたようだ。
日本感染症学会のホームページには、2月以来、
新型コロナ感染症に対する中国のガイドラインの日本語訳が掲載されている。
そこには清肺排毒湯についても記されている。

また、5月、日本東洋医学会のホームページに
「中国発の新しい生薬製剤使用に関する注意喚起のお知らせ」と題する告知が掲載された。

その経緯について、日本東洋医学会会長の伊藤隆医師はこう説明する。

「私たちは中国のガイドラインや清肺排毒湯を否定するものではありません。
むしろその効果を検討する立場にいます。
ただ、実際に中国のガイドラインのやり方を踏襲すると幾つかの問題点があることも確かなのです」

伊藤医師はこう続ける。

「中国で清肺排毒湯が作られた背景には、急激に増えた患者さんに対応する必要があったからです。
可能性のある処方を組み合わせ、目の前の患者さんの重篤化を防ぐため
急場をしのぐ目的の処方と言うこともできるのです」

清肺排毒湯は、日本で常識的に使う5倍程度の分量であること、3日おきに処方継続の要不要を考慮するべきこと、
2週間が処方の限度であるということ、この3点を留意しないと安全性を担保できないという。
「ですから、経験豊富な漢方専門医や薬剤師のもとできちんと管理して処方するべきなのです」(伊藤医師)

実際、伊藤医師も漢方医学的な診断のもとにエキス剤などを使い、
結果として清肺排毒湯に類した処方によって治療にあたった例があるという。

「コロナ流行初期のころ、37度5分以上が4日以上続かないと検査が受けられなかった時期に、
そういう患者さんを診たことがあります。
おそらく漢方専門医のなかには清肺排毒湯を使ったり、
参考処方で治療した医師がいる可能性があります」(同)

現在、日本東洋医学会は、「COVID-19一般治療に関する観察研究ご協力のお願い」という
告知をホームページに掲載している。
軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症患者(疑いも含む)に対する、
西洋薬、漢方薬治療による症状緩和、重症化抑制に関する多施設共同の観察研究への協力のお願いだ。
日本感染症学会、日本プライマリ・ケア連合学会、日本病院総合診療医学会、日本救急医学会、
日本呼吸器学会といった学会にも協力を求めている。

「東北大学病院漢方内科の高山真医師が中心となっておこなう研究です。
これまで処方した事例を集めて分析する観察研究ですが、重要な研究と言えます」(同)

新型コロナの第2波への備えが注目されるが、今後、別の新たな感染症が
流行することも想定しておかねばならない。
その対処法の一つとして、西洋医学だけでなく漢方も選択肢に入れておくべきで、
漢方専門医の育成も重要になってくると伊藤医師は強調する。

「現在、日本に30万人いる医師の中で、日本東洋医学会が認定する漢方専門医は
わずか2千人程度です。
より多くの医師が漢方医学の学習をされて対応できるようになることが望まれます」

前出の永井医師はこう話す。

「医学部における漢方教育は少しずつ進んでいますが、医師国家試験に漢方の問題が出ていないため、
漢方の普及は望めません。
和漢薬という日本の宝を持ちぐされにするのは残念です。今回のコロナを機に、新しい医療体系を模索すべきです」

来たるパンデミック(世界的大流行)時代に対処する医療の構築が急務であることは間違いない。

(ライター・伊波達也)

※週刊朝日  2020年8月7日号
スポンサーサイト



気に入ったらシェア!

のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
先進医療実施 診断基準(2012年) (1)
学校における脳脊髄液減少症(文部科学省) (1)
子どもの脳脊髄液減少症 (10)
起立性調節障害 (6)
体位性頻脈症候群(POTS) (5)
HSC(ハイリーセンシティブチャイルド) (3)
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン) (1)
障害年金 (9)
交通事故損害(書籍) (1)
自賠責保険 (2)
マイナンバーカード (1)
脳脊髄液減少症(news) (30)
脳脊髄液減少症(研究) (7)
脳脊髄液減少症(患者) (36)
脳脊髄液減少症(芸能人) (4)
脳脊髄液 (21)
新型コロナウイルス (37)
新型コロナウイルス後遺症 (5)
宇宙飛行士と脳脊髄液の関連 (9)
脳神経 (16)
慢性硬膜下血腫 (2)
医療news (33)
医療機器 (7)
整骨院・整体院・カイロプラクティック事故 (1)
書籍 (4)
健康機器 (1)
サプリメント・健康食品 (7)
医薬品news (20)
┣  薬剤性ジストニア (1)
┣  ベンゾジアゼピン系受容体作動薬 (4)
┣  ベンゾジアゼピン離脱症候群 (1)
┣  リリカ(鎮痛薬) プレガバリン (3)
┣  デパス(向精神薬) (2)
┣  レンドルミン(睡眠薬) (1)
┣  モーラステープ(光線過敏症) (1)
┗  タリージェ(疼痛治療薬) (2)
社会news (8)
朝日 健康・医療フォーラム2019 (4)
脳脊髄液減少症の問題点 (7)
厚生労働省認可病院の現状 (1)
患者の体験による発症原因と症状 (5)
検査方法(熱海病院の参考例) (1)
保存的療法(初期段階治療) (1)
国際医療福祉大学熱海病院にて診断確定 (3)
ブラッドパッチ治療後の安静期間と始動 (2)
┗  ブラッドパッチ治療後の腰痛 (1)
ブラッドパッチ治療後の症状 (24)
アートセレブ(人工髄液)1回治療 (5)
経過観察と苦悩 (35)
心の葛藤 (11)
経済的困難の苦悩 (3)
生活不活発病(廃用症候群) (2)
┗  介護用品が必要となった日常生活 (1)
リハビリ(前半) (14)
リハビリ(後半) (10)
リハビリのまとめ(完結) (1)
リハビリ+α (10)
社会復帰への第一歩 (1)
運動リハビリ(運動療法) (16)
┣  家事はリハビリに最適 (1)
┣  水中ウォーキングの注意点 (1)
┣  イメージトレーニング (1)
┣  体幹スロートレーニング (1)
┣  セロトニン分泌(リズム運動) (2)
┣  エンドルフィン分泌(音楽療法) (2)
┣  デュアルタスク(脳疲労) (1)
┣  体水分循環(頭痛・疲労倦怠感・むくみ) (1)
┣  インターバル速歩(脳疲労・疲労倦怠感) (1)
┣  スロージョギング (1)
┗  ヨガ・太極拳 (3)
サプリメントより食事内容(質)の大切さ (12)
┣  食事療法(アミノ酸・たんぱく質) (2)
┣  アミノ酸・炭酸水・クエン酸・ミネラル (2)
┣  腸内細菌(脳腸相関) (3)
┣  下痢(食事療法・運動) (2)
┣  イミダペプチド(抗疲労効果) (1)
┗  乾燥生姜(体の痛み・冷え症) (1)
糖質制限 (2)
口腔アレルギー症候群(OAS) (1)
サプリメント情報(脳脊髄液減少症) (4)
水分補給・脱水 (9)
カフェイン・アルコール (3)
五苓散の利水効果 (1)
パソプレッシンホルモン(尿量の調整) (1)
天気・気圧・湿度の影響 (8)
気象病・天気痛 (5)
花粉症 (4)
┣  光線過敏症 (1)
┗  寒暖差アレルギー (1)
化学物質過敏症・電磁波過敏症 (7)
慢性連日性頭痛・目の奥の痛み (9)
起立性頭痛 (2)
片頭痛 (8)
労作性頭痛 (1)
耳の冷えによる機能性頭痛 (1)
後頭部と耳の後ろが痛い大後頭神経痛 (1)
頭部アロディニア (2)
┗  頭部抜け毛・白髪・皮膚乾燥 (1)
ベル麻痺 (1)
石灰化上皮腫 (1)
自律神経 (5)
動悸・手の振るえ(振戦)チック症状  (2)
心臓・動脈硬化・スモールハート (1)
高血圧 (3)
微熱・悪寒・高熱 (1)
冷え性・体温調節機能・汗腺機能 (6)
疲労・倦怠感・易疲労 (5)
脳疲労・ブレインフォグ (9)
睡眠障害 (9)
睡眠相後退(前進)症候群 (1)
不眠・過眠・ナルコレプシー(オレキシン) (9)
むずむず脚症候群 (1)
高次脳・視空間認知力低下 (1)
めまい・吐き気・動悸 (4)
眼前暗黒感のめまい (1)
光過敏・複視・霧視・残像・視力低下 (2)
緑内障 (6)
加齢黄斑変性 (2)
目の不調は脳が原因 (12)
┣  眼瞼・顔面けいれん (1)
┣  眼球使用困難症 (2)
┣  中枢性羞明 (3)
┗  アーレン症候群 (2)
聴覚過敏・車酔いとめまい (1)
耳鳴り (4)
耳菅開放症 (2)
外リンパ瘻 (2)
メニエール病 「中耳加圧治療」 (2)
APD・聴覚情報処理障害 (1)
鼻詰まり (1)
味覚 (1)
嚥下障害 (1)
非歯原性歯痛 (1)
口内炎・ヘルペス・口角炎・味覚障害 (2)
歯肉炎・親知らず抜歯・ドライマウス (1)
顔のしびれ (1)
顎関節症・三叉神経痛・噛み締め (2)
慢性上咽頭炎・EAT(上咽頭擦過療法) (2)
咽頭痛・異物感・息苦しさ・期外収縮不整脈 (1)
リンパ扁桃腺の腫れ・下顎と首のしこり (1)
長引く咳・むせる咳・咳喘息との関連 (2)
甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病) (1)
帯状疱疹 (1)
座位・起立・労作不耐・末梢神経障害 (1)
胸郭出口症候群 (3)
梨状筋症候群 (2)
頚椎症・ストレートネック (1)
肩・肩甲骨・背中・手足の痛み (4)
トゥレット症候群と不随意運動 (1)
血糖値上昇 (2)
反応性低血糖症 (1)
副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
過敏性腸症候群(IBS) (2)
潰瘍性大腸炎(UC) (3)
頻尿・膀胱炎 (3)
┣  ED症状 (1)
┗  女性化乳房症(男性) (1)
無痛分娩・帝王切開(硬膜外麻酔) (4)
┣  月経前不快気分障害「PMDD」 (1)
┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
経頭蓋磁場刺激法(TMS) (3)
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
経頭蓋直流刺激(tDCS) (1)
むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
椎間板ヘルニア (1)
パーキンソン病 (3)
認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
ヘルプマーク (3)
不定愁訴 (5)
インフルエンザ (1)
ドクターショッピング(一部のみ) (8)
コメント受付中断のお知らせ (2)
プライベート (5)
ひとりごと (4)
12月は自分の生き方を振り返る (4)
命とは生きるとは (6)
年末・年始の感謝とご挨拶 (12)
ごあいさつ (1)