「GABAのサプリは認知症に効く」は本当なのか?<医療>

2018年02月03日
サプリメント・健康食品
NKJ56_okusurij_TP_V4.jpg

脳脊髄液減少症の患者様の中には、各種のサプリメントを、

摂取されている方が、いらっしゃるかと思います。

今回、GABAのサプリメント
についてのニュースがありました。


<医療>「GABAのサプリは認知症に効く」は本当?

2018年2月3日(土) Yahoo!ニュース より 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180203-00000027-mai-soci

ストレス軽減や血圧低下に効果があるというアミノ酸のGABA。

「脳にも良さそうなので認知症にも効く」と考え、

GABAを多く含んだ健康食品やサプリメントを摂取している人がいるようです。

本当はどうなのでしょうか。

脳神経外科専門医の工藤千秋・くどうちあき脳神経外科クリニック院長に

GABAの働きや効果について聞きました。【毎日新聞医療プレミア】


◇GABAとは?

GABAは「γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)」の

頭文字を取った略称です。

ヒトの体内では、アミノ酸の一種であるグルタミン酸から作られ、

脳や脊髄(せきずい)に存在します。

GABAは神経細胞の間で情報を伝える神経伝達物質でもあり、

情報を受け取った神経細胞の興奮を抑制する働きがあることが分かっています。

このためGABAの作用を強めることで、

鎮静、不眠や不安の改善、麻酔の効果を目的とした医薬品もあります。


◇血圧低下やストレス軽減の効果

現在、GABAのサプリメントや健康食品が市販されています。

そのほとんどが、血圧低下やストレス低減の効果の期待をうたっています。

実際、動物実験やヒトでの臨床研究などから、こうした効果が報告されています。


血圧低下やストレス低減は、

体内で神経伝達物質あるいはホルモンとして働くノルアドレナリンの分泌量が

GABAの作用によって低下することで起こります。

具体的には次のような仕組みで起こると考えられています。


まず、摂取したGABAが血中に取り込まれて交感神経に作用します。

すると、神経細胞間の情報伝達物質としてのノルアドレナリンの分泌が減少して、

交感神経の興奮が抑えられます。

その結果、副腎髄質から分泌されるホルモンのノルアドレナリンの量が減ります。

ホルモンは全身の特定の細胞に命令を与えるために血中に放出される物質です。


ホルモンのノルアドレナリンは血管を収縮する作用があります。

ですから、分泌量が増えると血圧があがり、

逆に分泌量が減ると血管が拡張して血圧が下がるのです。


また、ノルアドレナリンは興奮性のホルモンと言われます。

分泌量が低下すると、興奮しにくくなって、

イライラした気分になりにくくなると考えられています。

そのため、ストレス軽減につながるというわけです。


GABAのストレス軽減効果と聞くと、

摂取したGABAが直接脳に作用しているかのように思われがちです。

しかし、交感神経で起きていることが間接的に脳に伝わるという仕組みなのです。


◇経口摂取のGABAは脳に到達しない

さて、最近、私のところに診察に来る患者さんの中に

「GABAは脳に良い作用があるというので、認知症や老化の物忘れにも効くはず。

だから、GABAのサプリメントを飲んでいる」とおっしゃる方がいます。

ところがこれは全くの誤解で、しかも無意味です。


サプリメントで摂取したGABAは脳に直接は作用しません。

脳の毛細血管に存在する血液脳関門をGABAは通過できないからです。


血液脳関門は、脳という非常に重要な部位を保護するために、

脳の毛細血管中の物質を脳内(脳細胞が存在する側)へ通すか否かを判別している関所です。

この通過基準の一つは血中を流れる物質の大きさ(分子量)です。

GABAは分子量が大きすぎるため、摂取しても血液脳関門を通過できません。


脳内に存在するGABAは、血液脳関門を通過できるアミノ酸の一種、

グルタミンなどから脳内でグルタミン酸が作られ、

それから合成されているものなのです。


◇GABAの作用抑制が認知症を改善する

GABAの摂取に関する大きな誤解がもう一つあります。

動物実験の結果から、アルツハイマー型認知症で記憶障害が発生している場合、

GABAの作用を抑制することで記憶障害が改善するという研究報告があります。

つまり、GABAを増やすのではなく、

GABAの働きを抑えることがアルツハイマー型認知症の改善につながるのです。


このようにGABAを摂取しても脳に到達せず、

脳内のGABAを増やしてもアルツハイマー型認知症の改善にはつながりません。



サプリメントや健康食品を摂取すること自体を否定はしません。

しかし、出所不明な情報を基に安易に摂取することは、

大きな害はなくとも利もないことを分かっていただきたいと思います。

(聞き手=ジャーナリスト・村上和巳)
スポンサーサイト



気に入ったらシェア!

のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
先進医療実施 診断基準(2012年) (1)
学校における脳脊髄液減少症(文部科学省) (1)
子どもの脳脊髄液減少症 (10)
起立性調節障害 (6)
体位性頻脈症候群(POTS) (5)
HSC(ハイリーセンシティブチャイルド) (3)
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン) (1)
障害年金 (9)
交通事故損害(書籍) (1)
自賠責保険 (2)
マイナンバーカード (1)
脳脊髄液減少症(news) (30)
脳脊髄液減少症(研究) (7)
脳脊髄液減少症(患者) (36)
脳脊髄液減少症(芸能人) (4)
脳脊髄液 (21)
新型コロナウイルス (37)
新型コロナウイルス後遺症 (5)
宇宙飛行士と脳脊髄液の関連 (9)
脳神経 (16)
慢性硬膜下血腫 (2)
医療news (33)
医療機器 (7)
整骨院・整体院・カイロプラクティック事故 (1)
書籍 (4)
健康機器 (1)
サプリメント・健康食品 (7)
医薬品news (20)
┣  薬剤性ジストニア (1)
┣  ベンゾジアゼピン系受容体作動薬 (4)
┣  ベンゾジアゼピン離脱症候群 (1)
┣  リリカ(鎮痛薬) プレガバリン (3)
┣  デパス(向精神薬) (2)
┣  レンドルミン(睡眠薬) (1)
┣  モーラステープ(光線過敏症) (1)
┗  タリージェ(疼痛治療薬) (2)
社会news (8)
朝日 健康・医療フォーラム2019 (4)
脳脊髄液減少症の問題点 (7)
厚生労働省認可病院の現状 (1)
患者の体験による発症原因と症状 (5)
検査方法(熱海病院の参考例) (1)
保存的療法(初期段階治療) (1)
国際医療福祉大学熱海病院にて診断確定 (3)
ブラッドパッチ治療後の安静期間と始動 (2)
┗  ブラッドパッチ治療後の腰痛 (1)
ブラッドパッチ治療後の症状 (24)
アートセレブ(人工髄液)1回治療 (5)
経過観察と苦悩 (35)
心の葛藤 (11)
経済的困難の苦悩 (3)
生活不活発病(廃用症候群) (2)
┗  介護用品が必要となった日常生活 (1)
リハビリ(前半) (14)
リハビリ(後半) (10)
リハビリのまとめ(完結) (1)
リハビリ+α (10)
社会復帰への第一歩 (1)
運動リハビリ(運動療法) (16)
┣  家事はリハビリに最適 (1)
┣  水中ウォーキングの注意点 (1)
┣  イメージトレーニング (1)
┣  体幹スロートレーニング (1)
┣  セロトニン分泌(リズム運動) (2)
┣  エンドルフィン分泌(音楽療法) (2)
┣  デュアルタスク(脳疲労) (1)
┣  体水分循環(頭痛・疲労倦怠感・むくみ) (1)
┣  インターバル速歩(脳疲労・疲労倦怠感) (1)
┣  スロージョギング (1)
┗  ヨガ・太極拳 (3)
サプリメントより食事内容(質)の大切さ (12)
┣  食事療法(アミノ酸・たんぱく質) (2)
┣  アミノ酸・炭酸水・クエン酸・ミネラル (2)
┣  腸内細菌(脳腸相関) (3)
┣  下痢(食事療法・運動) (2)
┣  イミダペプチド(抗疲労効果) (1)
┗  乾燥生姜(体の痛み・冷え症) (1)
糖質制限 (2)
口腔アレルギー症候群(OAS) (1)
サプリメント情報(脳脊髄液減少症) (4)
水分補給・脱水 (9)
カフェイン・アルコール (3)
五苓散の利水効果 (1)
パソプレッシンホルモン(尿量の調整) (1)
天気・気圧・湿度の影響 (8)
気象病・天気痛 (5)
花粉症 (4)
┣  光線過敏症 (1)
┗  寒暖差アレルギー (1)
化学物質過敏症・電磁波過敏症 (7)
慢性連日性頭痛・目の奥の痛み (9)
起立性頭痛 (2)
片頭痛 (8)
労作性頭痛 (1)
耳の冷えによる機能性頭痛 (1)
後頭部と耳の後ろが痛い大後頭神経痛 (1)
頭部アロディニア (2)
┗  頭部抜け毛・白髪・皮膚乾燥 (1)
ベル麻痺 (1)
石灰化上皮腫 (1)
自律神経 (5)
動悸・手の振るえ(振戦)チック症状  (2)
心臓・動脈硬化・スモールハート (1)
高血圧 (3)
微熱・悪寒・高熱 (1)
冷え性・体温調節機能・汗腺機能 (6)
疲労・倦怠感・易疲労 (5)
脳疲労・ブレインフォグ (9)
睡眠障害 (9)
睡眠相後退(前進)症候群 (1)
不眠・過眠・ナルコレプシー(オレキシン) (9)
むずむず脚症候群 (1)
高次脳・視空間認知力低下 (1)
めまい・吐き気・動悸 (4)
眼前暗黒感のめまい (1)
光過敏・複視・霧視・残像・視力低下 (2)
緑内障 (6)
加齢黄斑変性 (2)
目の不調は脳が原因 (12)
┣  眼瞼・顔面けいれん (1)
┣  眼球使用困難症 (2)
┣  中枢性羞明 (3)
┗  アーレン症候群 (2)
聴覚過敏・車酔いとめまい (1)
耳鳴り (4)
耳菅開放症 (2)
外リンパ瘻 (2)
メニエール病 「中耳加圧治療」 (2)
APD・聴覚情報処理障害 (1)
鼻詰まり (1)
味覚 (1)
嚥下障害 (1)
非歯原性歯痛 (1)
口内炎・ヘルペス・口角炎・味覚障害 (2)
歯肉炎・親知らず抜歯・ドライマウス (1)
顔のしびれ (1)
顎関節症・三叉神経痛・噛み締め (2)
慢性上咽頭炎・EAT(上咽頭擦過療法) (2)
咽頭痛・異物感・息苦しさ・期外収縮不整脈 (1)
リンパ扁桃腺の腫れ・下顎と首のしこり (1)
長引く咳・むせる咳・咳喘息との関連 (2)
甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病) (1)
帯状疱疹 (1)
座位・起立・労作不耐・末梢神経障害 (1)
胸郭出口症候群 (3)
梨状筋症候群 (2)
頚椎症・ストレートネック (1)
肩・肩甲骨・背中・手足の痛み (4)
トゥレット症候群と不随意運動 (1)
血糖値上昇 (2)
反応性低血糖症 (1)
副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
過敏性腸症候群(IBS) (2)
潰瘍性大腸炎(UC) (3)
頻尿・膀胱炎 (3)
┣  ED症状 (1)
┗  女性化乳房症(男性) (1)
無痛分娩・帝王切開(硬膜外麻酔) (4)
┣  月経前不快気分障害「PMDD」 (1)
┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
経頭蓋磁場刺激法(TMS) (3)
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
経頭蓋直流刺激(tDCS) (1)
むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
椎間板ヘルニア (1)
パーキンソン病 (3)
認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
ヘルプマーク (3)
不定愁訴 (5)
インフルエンザ (1)
ドクターショッピング(一部のみ) (8)
コメント受付中断のお知らせ (2)
プライベート (5)
ひとりごと (4)
12月は自分の生き方を振り返る (4)
命とは生きるとは (6)
年末・年始の感謝とご挨拶 (12)
ごあいさつ (1)