覚醒物質オレキシンの働きを抑える快眠術とは?脳脊髄液減少症の不眠と過眠

2018年05月08日
不眠・過眠・ナルコレプシー(オレキシン)
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覚醒状態を維持する働きを持っている脳内物質オレキシンのニュースがありました。


脳脊髄液減少症を発症すると、不眠症や過眠症など睡眠障害の症状が出ます。

脳脊髄液が減少することで、脳内物質オレキシンの影響を受けているのでしょうか?

オレキシンに作用する睡眠薬、(商品名ベルソムラについても記載されています。


オレキシンの働きは、覚醒状態を維持すること。

就寝時にもオレキシンが活発に作られていると不眠症になってしまう。

また、発見したオレキシンは、視床下部の外側野(がいそくや)という部分

ここは、食欲をつかさどる摂食中枢でもあるということです。


覚醒物質オレキシンの働きを抑える快眠術とは?

発見者に取材! 体に優しい睡眠薬の普及も進む 

2018年5月2日(水) 日経ビジネスオンライン 伊藤和弘=フリーランスライター

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/16/091500011/042600026/


オレキシンという言葉をご存じだろうか? 

今から20年前の1998年に発見された脳内物質で、

人間の「覚醒状態を維持する」働きを持っているという。


これは日常生活を送る上で欠かせない脳内物質だ。

あり得ないような場面で突然眠り込んでしまう疾患であるナルコレプシーも、

オレキシンが作られないために起こることが分かっている。

また、最近は脳内のオレキシンに作用する安全性の高い睡眠薬も登場している。


このオレキシンを発見したのは、

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構で副機構長を務める

同大医学医療系教授の櫻井武さんと同機構長である柳沢正史さんらのグループ。

オレキシンの働きを知って、眠りの改善にどうつなげればいいのかを櫻井さんに聞いてみた。


お互いを抑え合う覚醒システムと睡眠システム

「1910年代から20年代にかけて、最初に脳内における睡眠と覚醒の制御システムに着目したのは

ウィーン大学の神経精神科教授だったコンスタンチン・フォン・エコノモという人物。

当時、脳炎を伴う感染症がはやったことがきっかけでした」と櫻井さんは話し始めた。


この感染症にかかると、ある人は過眠症になり、

ある人は逆に重度の不眠症になった。

調べてみると、どちらも脳の視床下部という場所に病変が見つかった。

視床下部の後ろのほうに病変があると過眠症になり、

前の方(視索前野と呼ばれる部分)にあると不眠症になる。


つまり、視床下部の後ろ側に覚醒に関わる領域が、

前側に睡眠に関わる領域があることが分かったという。

視床下部の前側にある神経細胞はGABAという抑制系の神経伝達物質を作っており、

睡眠中に活発に活動している。要は覚醒を抑えているのだ。


脳の視床下部の後ろ側で覚醒物質が作られる

図は左側が前方(目のある方向)。

脳の視床下部の後ろ側に覚醒に関わる領域が、前側に睡眠に関わる領域がある。

覚醒に関わる領域では、

オレキシンやヒスタミン、セロトニン、ノルアドレナリン、アセチルコリンといった

覚醒物質が作られる。(図は櫻井さんの話を基に編集部で作成)

図はクリック→http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/16/091500011/042600026/


「その後、米国ノースウエスタン大学の研究で、

脳の底に位置する脳幹が覚醒をつかさどっていることも分かりました。

脳幹で血流障害を起こすと意識がなくなることからも脳幹が覚醒に重要なことが分かります。

また、覚醒作用のあるモノアミン(ノルアドレナリンやセロトニン)や

アセチルコリンが脳幹で作られ、脳全体に運ばれています」(櫻井さん)


覚醒を促すモノアミンやアセチルコリンを作る神経細胞は、

起きている間は活発に働き、眠っているときは活動が鈍くなる。


このように、視床下部の後ろ側や脳幹にある覚醒システムと、

視床下部の前側にある睡眠システムはシーソーのようにお互いを抑え合い、

バランスがどちらかに傾くことで覚醒と睡眠が作られるわけだ。


オレキシンによって覚醒状態が保たれる

櫻井さんらが発見したオレキシンは、

視床下部の後ろ側にある「外側野」(がいそくや)という部分で見つかった。

かつてエコノモが「覚醒に関わる領域」として注目した場所だ。


「ここは食欲をつかさどる摂食中枢でもあります。

電気刺激を与えるとすごく食べるようになり、壊すとものを食べられなくなる。

摂食行動というのは動物にとって非常に重要な行動。

ものを食べるには、当然ながら覚醒状態を維持する必要もありますしね」(櫻井さん)


最初に触れたように、オレキシンの働きは覚醒状態を維持すること。

具体的には、「モノアミンの分泌が止まらないように作用している」と櫻井さん。

このオレキシンを作る神経細胞が壊れた状態が

「ナルコレプシー」(居眠り病)という脳疾患で、

いつ眠りに落ちるか分からなくなってしまう。

例えば自動車の運転中に突然眠り込んだら命にかかわるだろう。

私たちが安心して日常生活を送れるのはオレキシンのおかげなのだ。


一方、「就寝時にもオレキシンが活発に作られていると

不眠症になってしまいます」と櫻井さんは指摘する。


オレキシンに作用する睡眠薬も登場

そこで、オレキシンの働きを弱めるタイプで、体に比較的優しい睡眠薬も登場している。

2014年に登場した「スボレキサント」(商品名ベルソムラというオレキシン受容体拮抗薬で、

オレキシン受容体をブロックしてオレキシンと結合できなくすることで睡眠を導くものだ。


現在の主流となっているベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、

覚醒を抑えるGABAの作用を強める薬。

効果は強いが、筋肉を緩める作用もあり、また脳全体の機能を低下させるため、

トイレに起きたときの転倒や記憶障害などが起こりやすい


また、依存性もあるので急にやめると眠れなくなる。

さらに、「長期間にわたって飲み続けるとアルツハイマー病やうつ病のリスクが高くなるという

疫学研究もあることから、

近年にわかにベンゾ系睡眠薬の過剰な使用に警鐘が鳴らされるようになった」と櫻井さん。


日本の「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」でも、

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は転倒・骨折のリスクを高めるということで、

高齢者には非ベンゾジアゼピン系を推奨している。


それに対してスボレキサントはオレキシンの働きを抑えるだけなので、

筋肉や記憶への悪影響はない。

櫻井さんによると、

「依存性も大きな副作用もなく、自然な睡眠をもたらすということで、シェアを伸ばしている」という。


申し訳ありませんが、この記事の続き、

2. 夜間のオレキシン分泌を防ぐには?

下記にてログインしてお読み下さい。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/skillup/16/091500011/042600026/
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のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
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めまい・吐き気・動悸 (4)
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光過敏・複視・霧視・残像・視力低下 (2)
緑内障 (6)
加齢黄斑変性 (2)
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┣  眼瞼・顔面けいれん (1)
┣  眼球使用困難症 (2)
┣  中枢性羞明 (3)
┗  アーレン症候群 (2)
聴覚過敏・車酔いとめまい (1)
耳鳴り (4)
耳菅開放症 (2)
外リンパ瘻 (2)
メニエール病 「中耳加圧治療」 (2)
APD・聴覚情報処理障害 (1)
鼻詰まり (1)
味覚 (1)
嚥下障害 (1)
非歯原性歯痛 (1)
口内炎・ヘルペス・口角炎・味覚障害 (2)
歯肉炎・親知らず抜歯・ドライマウス (1)
顔のしびれ (1)
顎関節症・三叉神経痛・噛み締め (2)
慢性上咽頭炎・EAT(上咽頭擦過療法) (2)
咽頭痛・異物感・息苦しさ・期外収縮不整脈 (1)
リンパ扁桃腺の腫れ・下顎と首のしこり (1)
長引く咳・むせる咳・咳喘息との関連 (2)
甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病) (1)
帯状疱疹 (1)
座位・起立・労作不耐・末梢神経障害 (1)
胸郭出口症候群 (3)
梨状筋症候群 (2)
頚椎症・ストレートネック (1)
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トゥレット症候群と不随意運動 (1)
血糖値上昇 (2)
反応性低血糖症 (1)
副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
過敏性腸症候群(IBS) (2)
潰瘍性大腸炎(UC) (3)
頻尿・膀胱炎 (3)
┣  ED症状 (1)
┗  女性化乳房症(男性) (1)
無痛分娩・帝王切開(硬膜外麻酔) (4)
┣  月経前不快気分障害「PMDD」 (1)
┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
経頭蓋磁場刺激法(TMS) (3)
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
経頭蓋直流刺激(tDCS) (1)
むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
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椎間板ヘルニア (1)
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認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
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