モーラステープで「光接触皮膚炎」「交叉感作の反応」という重い副作用

2018年06月13日
モーラステープ(光線過敏症)
Kazukihiro18117016_TP_V4.jpg

「モーラステープ」の副作用を知っていますか?
湿布を剥がした後、日光に当たった部分がかぶれる「光接触皮膚炎」です。
また、「交叉感作」の反応もあり副作用には注意が必要です。


気軽に使った貼り薬の重い副作用「モーラステープ」の何に注意するべきなのか
2018/05/13 BuzzFeed Japan
https://www.buzzfeed.com/jp/seiichirokuchiki/ketoprofen-side-effect

「一生、日の光を浴びれない」は誤解
光接触皮膚炎というのは、「日光に当たった皮膚が極端に赤くなることなどの総称」である
光過敏症のうち、「原因薬剤があって、そこに日光が加わることで生じるもの」だといいます。

この場合、原因薬剤となるのは、モーラステープに含まれるケトプロフェン。
この薬剤が、テープを貼った部分に吸収され、そこに日光の刺激が加わることで、
性質の変わったたんぱく質により、アレルギー症状が発生します。

その症状は「強いかゆみを伴う皮膚の赤み、発疹、刺激感、腫れ、むくみ、
水ぶくれやびらんなどの重度の皮膚炎症状や色素沈着、あるいは脱色」
さらに重症化する場合は、患部を超えて「全身に皮膚炎症状が拡大」することもあります。

モーラステープによる光接触皮膚炎の特徴として、
皮膚に残留した薬剤が、数週間以上経過してから、症状を引き起こすこともあると知られているそうです。
テープを剥がした後も、少なくとも数週間は患部を日に当てないことが必要です。

一度この光接触皮膚炎を発症してしまうと、
モーラステープを使うこと」「モーラステープを使った状態で患部を日に当てること」はその後、
ずっと避け続けなければなりません。

しかし、「一生、日の光を浴びることができないというわけではありません」と佐治さん。
必要なのは、あくまでも
「原因薬剤を使った状態(あるいは剥がした後)で日光に当たること」を防ぐことです。

ただし、モーラステープの副作用にはもう一つ、別の特徴もあります。
それが「交叉感作」
ケトプロフェンによるアレルギーのある人が、
さらに起こす可能性があるこの交叉感作という反応が、
モーラステープの問題をより複雑にしてしまうのです。

専門病院で原因の特定を
もともとは、ケトプロフェンと日光によって性質の変わった(変性した)
たんぱく質がアレルギーの原因となるのでした。
しかし一旦、初回のアレルギー反応が収まったあとでも、
その変性たんぱく質と構造が似た物質が体に吸収されると、
同じような反応が出てしまうのです。
そして、交叉感作を起こす可能性があるのが、一部の鎮痛剤に含まれる物質や、
さらにある種の「日焼け止め」に含まれる物質なのです。

*ケトプロフェンの場合、
鎮痛薬ではスプロフェン・チアプロフェン酸の含まれるもの、
また日焼け止めの中ではオキシベンゾンを含むものを使用した場合。

日焼けを避けようとして塗った日焼け止めにより、
また皮膚炎が起きてしまうことがあり得る、といえます。
このように、厄介な交叉感作ですが、こちらもやはり、
日の光を浴びることができなくなるわけではありません。

佐治さんは次のように述べます。
「万が一、モーラステープを使っていないのに症状が出た場合は、
そのとき服用している薬や日焼け止めなどを持って、皮膚科の専門病院を受診してください」

「専門病院であれば多くの場合、検査により交叉感作の可能性も含め、
アレルギーを起こしている原因物質を特定することができます。
原因が特定できたら、その物質さえ避けることができれば、
外に出て活動できるようになります」

今回、話題になったモーラステープについて、佐治さんは
「副作用の治療をする皮膚科医と、実際に処方をされる整形外科医などの方々との間に、
大きな認識のギャップがある薬」であると指摘しました。

皮膚科医と他科の医師のギャップ
ケトプロフェンの医療用医薬品としては
ゲル剤、パップ剤、ローション剤、クリーム剤、テープ剤がそれぞれ1986年以降に順次、発売されました。
モーラステープのようなテープ剤の出荷量は、2009年時点で約24億枚となっています。

ケトプロフェンを含む薬については、過去に複数の注意喚起がなされています。
その理由は、やはり副作用の報告が集まってきたことでした。
少し古いデータにはなりますが、
厚生労働省『医薬品・医療機器等安全性情報 vol.276』によれば、
1986年の販売以降、医療用医薬品では2010年までに
光線過敏症は2028例(うち重症例は47例)が報告されています。

このうち、症例数、重症者数が共にもっとも多かったのがテープ剤で、
1770例(うち重症例は37例)でした。

一般用医薬品では、1997年から2010年までに、
光線過敏症は28例(うち重篤症例は2例)が報告されています。

2001年、医療用および一般用のすべてのケトプロフェンの薬の添付文書に、
紫外線による全身性の光線過敏症に関する注意喚起が追記されています。
2003年には、前述の交叉感作についても添付文書に注意喚起を追記。

久光製薬株式会社 / Via hisamitsu.co.jp
2018年4月にも使用上の注意が改定された。
モーラステープの副作用については、薬のパッケージにも、
「戸外に出るときは天候に関わらず貼付部分を日光に当てないこと」
「剥がした後も少なくとも4週間は同様の注意をすること」という主旨の注意が明記されています。
しかし、BuzzFeed Japan Medicalが複数の整形外科医を取材したところ、
中にはこの副作用をあまり深刻には受け止めていない医師もいることがわかりました。

ある整形外科医は取材に対し、
「自分の周囲には“とりあえず日光に当てなければいい”“腰痛や肩こりなどに処方する場合、
服で隠れるからそこまで気にしなくてもいい”という認識の医師も多い」と明かしました。

正しく理解し、正しく注意する
前出の佐治さんは、医療側の問題点として
「鎮痛効果が高く、患者さんからの人気も高いので、安易に処方されやすい」ことを挙げます。
また、光過敏症や交叉感作についてはメカニズムが複雑であるため、
時間をかけて患者へ説明することが必要ですが、
現場は忙しくてその余裕がないこともあるのでは、といいます。
そして、患者側には
「よく効く薬だからと、他の人に処方された薬をあげたりしないでほしい」と訴えます。

「薬のアレルギーは誰にでも起こりうるリスクではありますが、
一つの薬でアレルギーが起きたからと言って、すべての薬が使えなくなるわけではありません」

「もし不幸にしてアレルギーになってしまった場合は、
注意すべき薬剤に対して適切に注意することがなによりも必要です。
薬は正しく理解し、正しく注意して使っていただきたいのです」
スポンサーサイト



気に入ったらシェア!

のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
先進医療実施 診断基準(2012年) (1)
学校における脳脊髄液減少症(文部科学省) (1)
子どもの脳脊髄液減少症 (10)
起立性調節障害 (6)
体位性頻脈症候群(POTS) (5)
HSC(ハイリーセンシティブチャイルド) (3)
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン) (1)
障害年金 (9)
交通事故損害(書籍) (1)
自賠責保険 (2)
マイナンバーカード (1)
脳脊髄液減少症(news) (30)
脳脊髄液減少症(研究) (7)
脳脊髄液減少症(患者) (36)
脳脊髄液減少症(芸能人) (4)
脳脊髄液 (21)
新型コロナウイルス (37)
新型コロナウイルス後遺症 (5)
宇宙飛行士と脳脊髄液の関連 (9)
脳神経 (16)
慢性硬膜下血腫 (2)
医療news (33)
医療機器 (7)
整骨院・整体院・カイロプラクティック事故 (1)
書籍 (4)
健康機器 (1)
サプリメント・健康食品 (7)
医薬品news (20)
┣  薬剤性ジストニア (1)
┣  ベンゾジアゼピン系受容体作動薬 (4)
┣  ベンゾジアゼピン離脱症候群 (1)
┣  リリカ(鎮痛薬) プレガバリン (3)
┣  デパス(向精神薬) (2)
┣  レンドルミン(睡眠薬) (1)
┣  モーラステープ(光線過敏症) (1)
┗  タリージェ(疼痛治療薬) (2)
社会news (8)
朝日 健康・医療フォーラム2019 (4)
脳脊髄液減少症の問題点 (7)
厚生労働省認可病院の現状 (1)
患者の体験による発症原因と症状 (5)
検査方法(熱海病院の参考例) (1)
保存的療法(初期段階治療) (1)
国際医療福祉大学熱海病院にて診断確定 (3)
ブラッドパッチ治療後の安静期間と始動 (2)
┗  ブラッドパッチ治療後の腰痛 (1)
ブラッドパッチ治療後の症状 (24)
アートセレブ(人工髄液)1回治療 (5)
経過観察と苦悩 (35)
心の葛藤 (11)
経済的困難の苦悩 (3)
生活不活発病(廃用症候群) (2)
┗  介護用品が必要となった日常生活 (1)
リハビリ(前半) (14)
リハビリ(後半) (10)
リハビリのまとめ(完結) (1)
リハビリ+α (10)
社会復帰への第一歩 (1)
運動リハビリ(運動療法) (16)
┣  家事はリハビリに最適 (1)
┣  水中ウォーキングの注意点 (1)
┣  イメージトレーニング (1)
┣  体幹スロートレーニング (1)
┣  セロトニン分泌(リズム運動) (2)
┣  エンドルフィン分泌(音楽療法) (2)
┣  デュアルタスク(脳疲労) (1)
┣  体水分循環(頭痛・疲労倦怠感・むくみ) (1)
┣  インターバル速歩(脳疲労・疲労倦怠感) (1)
┣  スロージョギング (1)
┗  ヨガ・太極拳 (3)
サプリメントより食事内容(質)の大切さ (12)
┣  食事療法(アミノ酸・たんぱく質) (2)
┣  アミノ酸・炭酸水・クエン酸・ミネラル (2)
┣  腸内細菌(脳腸相関) (3)
┣  下痢(食事療法・運動) (2)
┣  イミダペプチド(抗疲労効果) (1)
┗  乾燥生姜(体の痛み・冷え症) (1)
糖質制限 (2)
口腔アレルギー症候群(OAS) (1)
サプリメント情報(脳脊髄液減少症) (4)
水分補給・脱水 (9)
カフェイン・アルコール (3)
五苓散の利水効果 (1)
パソプレッシンホルモン(尿量の調整) (1)
天気・気圧・湿度の影響 (8)
気象病・天気痛 (5)
花粉症 (4)
┣  光線過敏症 (1)
┗  寒暖差アレルギー (1)
化学物質過敏症・電磁波過敏症 (7)
慢性連日性頭痛・目の奥の痛み (9)
起立性頭痛 (2)
片頭痛 (8)
労作性頭痛 (1)
耳の冷えによる機能性頭痛 (1)
後頭部と耳の後ろが痛い大後頭神経痛 (1)
頭部アロディニア (2)
┗  頭部抜け毛・白髪・皮膚乾燥 (1)
ベル麻痺 (1)
石灰化上皮腫 (1)
自律神経 (5)
動悸・手の振るえ(振戦)チック症状  (2)
心臓・動脈硬化・スモールハート (1)
高血圧 (3)
微熱・悪寒・高熱 (1)
冷え性・体温調節機能・汗腺機能 (6)
疲労・倦怠感・易疲労 (5)
脳疲労・ブレインフォグ (9)
睡眠障害 (9)
睡眠相後退(前進)症候群 (1)
不眠・過眠・ナルコレプシー(オレキシン) (9)
むずむず脚症候群 (1)
高次脳・視空間認知力低下 (1)
めまい・吐き気・動悸 (4)
眼前暗黒感のめまい (1)
光過敏・複視・霧視・残像・視力低下 (2)
緑内障 (6)
加齢黄斑変性 (2)
目の不調は脳が原因 (12)
┣  眼瞼・顔面けいれん (1)
┣  眼球使用困難症 (2)
┣  中枢性羞明 (3)
┗  アーレン症候群 (2)
聴覚過敏・車酔いとめまい (1)
耳鳴り (4)
耳菅開放症 (2)
外リンパ瘻 (2)
メニエール病 「中耳加圧治療」 (2)
APD・聴覚情報処理障害 (1)
鼻詰まり (1)
味覚 (1)
嚥下障害 (1)
非歯原性歯痛 (1)
口内炎・ヘルペス・口角炎・味覚障害 (2)
歯肉炎・親知らず抜歯・ドライマウス (1)
顔のしびれ (1)
顎関節症・三叉神経痛・噛み締め (2)
慢性上咽頭炎・EAT(上咽頭擦過療法) (2)
咽頭痛・異物感・息苦しさ・期外収縮不整脈 (1)
リンパ扁桃腺の腫れ・下顎と首のしこり (1)
長引く咳・むせる咳・咳喘息との関連 (2)
甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病) (1)
帯状疱疹 (1)
座位・起立・労作不耐・末梢神経障害 (1)
胸郭出口症候群 (3)
梨状筋症候群 (2)
頚椎症・ストレートネック (1)
肩・肩甲骨・背中・手足の痛み (4)
トゥレット症候群と不随意運動 (1)
血糖値上昇 (2)
反応性低血糖症 (1)
副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
過敏性腸症候群(IBS) (2)
潰瘍性大腸炎(UC) (3)
頻尿・膀胱炎 (3)
┣  ED症状 (1)
┗  女性化乳房症(男性) (1)
無痛分娩・帝王切開(硬膜外麻酔) (4)
┣  月経前不快気分障害「PMDD」 (1)
┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
経頭蓋磁場刺激法(TMS) (3)
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
経頭蓋直流刺激(tDCS) (1)
むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
椎間板ヘルニア (1)
パーキンソン病 (3)
認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
ヘルプマーク (3)
不定愁訴 (5)
インフルエンザ (1)
ドクターショッピング(一部のみ) (8)
コメント受付中断のお知らせ (2)
プライベート (5)
ひとりごと (4)
12月は自分の生き方を振り返る (4)
命とは生きるとは (6)
年末・年始の感謝とご挨拶 (12)
ごあいさつ (1)