向精神薬の処方制限を2018年度改定で強化、薬剤種類数に加え日数も制限へ—中医協総会(1)

2017年10月19日
ベンゾジアゼピン系受容体作動薬
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薬物依存などの副作用が知られている向精神薬(ベンゾジアゼピンなど)について、
継続投与による長期使用を避ける
向精神薬の処方制限を強化すべき議論が行われました。


向精神薬の処方制限を2018年度改定で強化、
薬剤種類数に加え日数も制限へ—中医協総会(1)

2017/10/18 メディ・ウォッチ
https://www.medwatch.jp/?p=16311

薬物依存などの副作用が知られており
「漫然とした継続投与による長期使用を避ける」こととされている
向精神薬(ベンゾジアゼピンなど)について、
依然として長期間の処方が行われており、
かつ精神療法とは離れた処方がなされていると考えられる。
2018年度の次期診療報酬改定において向精神薬の処方制限を強化すべきではないか。

10月18日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で、
こういった議論が行われました。
この日は「精神医療」をテーマに議論が行われています。

依然として、向精神薬の多剤・大量・長期処方がある
向精神薬の適正使用を進める観点から、
▼抗不安薬▼睡眠薬▼抗うつ薬▼抗精神病薬―を不適切に多剤・大量処方した場合、
処方せん料や処方料、薬剤料などを減算する規定が2014年度の診療報酬改定で創設され、
2016年度の前回改定では更なる厳格化が行われました(関連記事はこちら)。

しかし、厚生労働省の調査・分析によれば、
2016年6月審査分の外来および調剤レセプトのうち29%において
「催眠鎮静薬・抗不安薬」または「精神神経用剤」のいずれか3剤以上の処方が含まれており、
依然として多剤処方・投与が行われている実態があります。

また処方剤数が少なくても「催眠鎮静薬・抗不安薬」のみが処方されるケースがあり、
向精神薬1剤処方のおよそ6割(外来レセプトの61.8%、調剤レセプトの57.0%)で、
「催眠鎮静薬・抗不安薬」のみの処方となっています。

さらに、向精神薬1剤が処方されている患者の92%では精神療法
(通院・在宅精神療法)が算定されておらず、
厚労省保険局医療課の迫井正深課長は
「精神療法と離れたところで向精神薬が処方されている」点を問題視しています。

一方、向精神薬のベンゾジアゼピンについては、
1日の投与量が承認用量の範囲内であっても、
長期間の連用によって薬物依存が生じると指摘されています。
厚労省が国内で報告された副作用情報を分析したところ、
薬物依存関連事象報告の多い上位5品目のうち4品目はベンゾジアゼピンで、
「1日投与量が承認用量の範囲で15日以上の投与」が行われていた症例のほうが、
「1日投与量が承認用量を超え、15日以上の投与」が行われていた症例よりも
薬物依存が多いことなどが分かっています(関連記事はこちらとこちら)。

この点、厚労省の調査・分析によれば、
▼向精神薬を1剤以上含む処方▼薬物依存関連事象が多く報告されている
品目を含む処方—のいずれにおいても、
8割超が「投与期間22日以上」となっていることが分かりました。
「薬物依存が生じやすい処方が、依然として数多く行われている」と言えます。

このように、依然として向精神薬の多剤投与が行われ、
薬物依存性のある薬剤の長期処方が行われている状況を踏まえて
迫井医療課長は「薬剤数や処方期間などの取扱いの見直し」や
「薬剤師・薬局などと連携した適切な薬物療法の推進に資する評価」を
検討してはどうかと提案しています。
この「向精神薬の処方制限の強化」方向には診療側・支払側ともに異論を唱えてはおらず、
2018年度の次期改定において、精神科に限らず
「向精神薬を不適切に多剤・大量・長期処方などしている」医療機関や薬局には
厳しいペナルティがかけられる見込みです。

この点、支払側の幸野庄司委員(健康保険組合連合会理事)は、
健康保険組合の被保険者・被扶養者のレセプトを調査・分析した結果から、
▼抗不安薬・睡眠薬が処方されたレセプトのうち65%程度は精神科ではない
▼抗不安薬・睡眠薬の投与期間を見ると、3割程度が半年以上、
1割程度が1年以上、2%が2年以上となっており長期投与されているケースも少なくない
といったことが明らかになったと報告
(近く健保連から提言が行われる、関連記事はこちら)
薬物依存を避けるために、
▼向精神薬の多剤投与制限を強化(種類数の厳格化)する
▼1種類であっても処方日数に制限を設ける—ことが必要と指摘。
また「一部の一般内科などで向精神薬が漫然と長期処方されている」点についても
問題提起しました。

これに対し、診療側の今村聡委員(日本医師会副会長)と
松本純一委員(日本医師会常任理事)は、
「医師には総合的な診療能力が求められるようになっており、
内科であっても向精神薬を処方するケースもある」
「患者が向精神薬を所望するケースも少なくなく、
保険者が被保険者・被扶養者教育をすべき」旨を述べましたが、
同じく診療側の猪口雄二委員(全日本病院協会会長)は
「必要があって向精神薬を多剤投与しなければならない場合、
精神科専門療法を行っていることを条件に多剤投与を認める」
といった制限も検討する費用があると述べ、
幸野委員の問題提起と同趣旨のコメントをしています。

なお、幸野委員は
「医療機関とかかりつけ薬局・薬剤師との連携は現行点数で十分に評価されており、
新たな評価は不要」といった旨の見解を明らかにしています。

認知症専門診断管理料1、「連携型の病院」でも算定可能となる方向
高齢化の進展とともに認知症患者も急増すると見込まれています。
そうした中で認知症治療の入り口となる「早期鑑別診断」が重視されています。

認知症と一口に言っても、基礎疾患はさまざまです。
迫井医療課長は
▼内分泌・代謝性疾患▼感染性疾患▼腫瘍性疾患▼外傷性疾患▼脳脊髄液循環障害
▼免疫疾患―などでは、早期に診断し、治療することが可能であると指摘し、
「鑑別診断」(基礎疾患が何かの診断)を充実させることが必要と強調しました。

この早期鑑別診断を進めるために厚労省は「認知症疾患医療センター」を指定しており、
診療報酬上の評価も行われています。
具体的には、
▼基幹型(総合病院)16か所▼地域型(単科精神科病院など)356か所
▼診療所型―の3タイプがあり、
基幹型と地域型では【認知症専門診断管理料1】の「イ」(700点)を、
診療所型では【同管理料1】の「ロ」(500点)を算定できます。

ところで本年度(2017年度)から、これまでの診療所型が「連携型」に組み替えられ、
病院も基幹型・地域型と連携した早期認知症対応を行えることとなりました。
しかし、現在の診療報酬上は「診療所」でしか
【認知症専門診断管理料1】の「ロ」を算定できないため、
迫井医療課長は「認知症専門診断管理料の見直し」を検討してはどうかと提案しています。
この提案には特段の異論は出ておらず、
例えば、「ロ」を連携型として病院も算定可能とする、
「ハ」として連携型病院の点数を新設する、ことなどが検討されることになります。

なお、連携型の施設には、
▼認知症診断を行う専門医の配置
▼看護師、保健師、精神保健福祉士、臨床心理技術者などの配置
▼急性期入院治療を行える医療機関との連携体制確保
▼CTやMRI、SPECT(単一光子放射断層撮影、
Single photon emission computed tomography)などの整備などが必要とされています。
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のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
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