光を使って神経回路をトレースする -霊長類の脳機能メカニズムの解明に向けて-

2019年05月24日
脳神経
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光を使って霊長類の脳の神経回路をトレースする方法「opto-OISI」を開発したことで
脳機能が形作られるメカニズムの解明
脳疾患の診断や治療などにも貢献することが期待できるようです。
詳細は、下記のURL先にてご覧下さい。

光を使って神経回路をトレースする
-霊長類の脳機能メカニズムの解明に向けて-

2019/05/21 理化学研究所
http://www.riken.jp/pr/press/2019/20190522_2/

理化学研究所(理研)脳神経科学研究センター脳統合機能研究チームの中道友研究員、
谷藤学チームリーダーらの共同研究チーム※は、
光を使って霊長類の脳の神経回路をトレースする方法「opto-OISI」を開発しました。

本研究成果により、脳のどことどこがつながっているか、
つまり脳の情報処理の流れを可視化できるため、
これまで難しかった霊長類の脳機能が形作られるメカニズムの解明につながり、
また、脳疾患においては、神経回路を踏まえた上での診断や治療が可能になるため、
医学への貢献も期待できます。

今回、共同研究チームは、霊長類の脳の神経回路での情報処理の流れを
動物が生きた状態のまま高い空間分解能[1]でトレースする方法「opto-OISI」を開発し、
視覚野[2]の左右半球間の神経回路を可視化することに成功しました。
opto-OISIは、光遺伝学的手法[3]と光内因性信号イメージング(OISI)[4]という
手法を併用することにより、0.5mm以下の空間分解能で再現性良く神経回路をマップでき、
また可視化できる神経回路の数においても制限がありません。
このため、近接する複数の細胞の回路をトレースすることで、
これまでの解剖学研究では見つけられなかった詳細な神経回路を、
動物が生きた状態のままマップすることに成功しました。

本研究は、英国の科学雑誌『Scientific Reports』オンライン版
4月23日付け:日本時間4月23日)に掲載されました。

背景
これまでの脳研究により、脳のどの部分が、どのような機能を持っているかについて
多くのことが分かってきました。
例えば、ヒトやサルなど霊長類の後頭葉にある初期視覚野は、
私たちが見た物体イメージの局所的な輪郭や明るさの情報を処理しています。
より高次な脳の領域では、このような局所的な情報を統合して、
複雑なイメージ、例えば「顔」の情報を処理します。
しかし、その統合がどのような神経回路を経て生み出されるかについては、想像の域を出ません。
この例のように、単純な情報から認知に関わるような複雑な情報が
どのように生み出されるかという問題は、脳研究全般の課題となっています。
これは、ヒトを含む霊長類において、単純な情報を担う脳の領域から高次の認知に関わる脳の領域に、
どのように情報が流れているかを可視化する一般的な手法がなかったためです。

脳機能のメカニズムを調べるためには、まず脳の情報処理の流れをトレース、
つまり領域間でつながっている神経細胞のペアを同定し、
その後その神経細胞ペアの特性を詳細に調査する必要があります。
神経細胞のペアを同定する最も一般的な手法は解剖学的手法で、
神経細胞間を伝って染めることのできる特殊な色素を脳に注入した後、
脳を薄く断片にして顕微鏡で観察します。
しかし、この手法は色素の注入場所ごとの染め分けが難しく、
一度に2、3カ所の神経回路しか見ることができません。
また、死後脳を対象としているため、神経細胞ペアの特性を調査できません。

最近では、核磁気共鳴画像法(MRI)[5]を使って脳のどことどこがつながっているかを、
動物が生きたままトレースする手法も開発されました注1)。
しかし、MRIの空間分解能はおよそ1mm程度で、
神経細胞ペアの特性を詳細に調査するには十分ではありません。
このため、脳機能のメカニズムを調べるためには、
このような問題を解決する新たな神経回路のトレース手法が必要です。

研究手法と成果
共同研究チームは、光遺伝学的手法と光内因性信号イメージング(OISI)という手法を併用し、
霊長類の脳の神経回路を動物が生きた状態のまま0.5mm以下の高い空間分解能でトレースする方法
「opto-OISI」を開発しました。
この手法は、ある脳の領域(ソースエリア)から他のある脳の領域
(ターゲットエリア)へ情報が流れているとき、
ソースエリア内の小さな領域の神経細胞を、光遺伝学的手法で光刺激により活性化させ、
ターゲットエリアに流れてきた信号をOISIで記録することにより、
光刺激場所とOISI記録部位から神経回路を同定することができます

このとき、光刺激する場所ごとの信号をOISIで記録するので、
同定する神経回路の数に制限はありません。
さらに、OISIの空間分解能はおよそ0.1mmであるため、
MRIを用いた手法に比べ高い空間分解能で神経回路をトレースすることができます。

神経細胞を活性化させるために古くから用いられている手法として、
微小な電極を脳に挿入し、電流を流す方法があります。
しかし、この手法では刺激場所付近に走っている神経細胞の配線も刺激してしまうため、
ターゲットエリアへ信号を誤送信してしまう可能性があります。
opto-OISIでは、光遺伝学的手法により、光に反応するタンパク質
(以下、光感受性タンパク質)が神経細胞の配線以外に発現するよう制御することで、
この問題を解決しました

また、opto-OISIでは、再現性良く神経回路をトレースできることが分かりました
実験では、解剖学的にその存在が知られている、
サルの初期視覚野の両半球間の神経回路にopto-OISIを適用しました。
ソースエリア(右半球視覚野)のある場所で光刺激を行い、ターゲットエリア(左半球視覚野)で
ソースエリアから流れてきた信号を記録したところ、
光刺激を行った範囲に対応する小さな領域で信号が得られました。
さらに、同様の実験をその8日後、22日後にも行った場合でも
別の個体での実験でも、同じく再現性の良い結果が得られました。

さらに、サルの初期視覚野の両半球間において、
ソースエリア(右半球視覚野)にて等間隔で5カ所に光刺激を行い、
ターゲットエリア(左半球視覚野)でソースエリアから流れてきた信号をそれぞれ記録しました
その結果、初期視覚野の両半球間の神経回路は対称になっている傾向はあるものの、
完全ではないことが分かりました。
また、ソースエリアでは複数のターゲットエリアに信号を送っているところや、
ターゲットエリアではソースエリアの複数の場所から
信号を受け取っているところがあることが新たに分かりました。

今後の期待
本研究では、opto-OISIを開発し、視覚野の左右半球間の神経回路にopto-OISIを適用することにより、
手法の有用性と再現性が実証されました。
さらに、従来の解剖学研究では見つけられなかった、
一つの場所から複数の場所へつながっている神経回路や、
複数の場所から一つの場所へつながっている神経回路が存在することを発見しました。

opto-OISIは今後、霊長類の脳においてどのように情報が流れているかを
可視化する一般的な手法になり得ます。
この手法の普及により、脳の神経回路に関する研究の進展や、
脳機能のメカニズムに関わる研究の進展、
さらにこれらに関わる脳疾患の診断や治療などにも貢献することが期待できます。
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のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
先進医療実施 診断基準(2012年) (1)
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外傷性脳損傷 (4)
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筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
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神経障害性疼痛 (7)
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筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
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