病気が治ったら消える…とは限らない 人類を悩ませてきた「痛み」

2019年09月06日
慢性疼痛
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「脳脊髄液減少症」を発症して全身に現れた痛み
早期に適切な治療を受けられずに、(発症から10年後に診断・治療を受ける)
痛みを引き起こしている神経の興奮が、新たに激烈な痛みを生み出してしまったり
脳や脊髄の細胞に痛みが記憶され、「遺伝子修飾」という変化を引き起こして、
さらに痛みをこじらせてしまうという体験をした自分には、
とても感慨深い記事でした。

病気が治ったら消える…とは限らない 人類を悩ませてきた「痛み」

2019年9月6日 ヨミドクター
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190816-OYTET50006/

森本昌宏「痛みの医学事典」

「今まで痛みなんて経験したことがない」と言い切れる人は、まずいないのでは?
けがや 火傷やけど 、頭痛に歯痛、寝違えによる首の痛み、腹痛や生理痛、腰痛など、
「痛み」は極めて身近で、日常的な感覚だから。
実際、ある統計では成人の15~40%が慢性的な痛みを抱えていて、
70歳以上では約半数が痛みに悩まされているという。

ところで、この痛みってヤツ、実は相当に厄介な代物なのだ。
なぜなら、他人とも共通の認識を持ちやすい視覚、聴覚など他の五感とは違って、
痛みは本人にしか分からない個別的かつ主観的な感覚だからだ。
なおかつ、痛みには必ず「 辛つら さ」という感情、情動が付きまとう。
この主観的であり、情動であるという点が極めて厄介なのだ。
そのために、慢性的な痛みを抱えながらも、
家族や友人、さらには医師にさえも理解してもらえずに、
日々、孤独な闘いを続けておられる方も少なくはないはずである。

巷にあふれる誤った情報

書店には家庭医学全集をはじめ、健康に関する本がところ狭しと並んでいる。
世の中をあげての健康ブームだ。痛みに関してもしかり。
「痛みは消える」「痛みよさらば」などのタイトルの本は数多い。
しかし、こうした本のように、痛みを完全に取り去ることって可能なのだろうか? 
痛みをなくしてしまえば、それでいいのだろうか?
このような疑問に正しく答え、さらには適切な情報を与えてくれる本は決して多くない。
痛みに関する誤った情報(近所のオバチャンのクチコミも?)に振り回されて、
どの医療機関を受診すればいいのか分からずに右往左往、
ドクタ-・ショッピングを繰り返しておられる方も多いはずだ。
これら負の体験が積み重なって、痛みへの 囚とら われをさらに強くしていることも事実である。

偉人は「痛みは魂を強くする」と言ったが…

哲学者であり、偉大な生物学者でもあったアリストテレスは、
「痛みは魂を強くする」と説いた。

目的因によりすべての生物現象を説いたアリストテレスにすれば、
痛みも必然の産物に他ならなかったのであろう。
現代の医療にあっても、残念ながら、
痛みは病気の症状のひとつに過ぎないとする考えが残っている。
加えて、わが国には、我慢を美徳とする風潮がまだ根強くあり、
少々の痛みくらいで医者に行くのは 憚はばか るなあ、とされる方も多い。
一方で、「医者から、『検査に異常はないよ、気のせいでは……』と
相手にされなかったんです!!」と、医療不信を訴え、
怒りを 露あらわ にされる患者さんもおられる。

しかし、痛みが激しくなれば、体を動かすこともままならず、
人間性を失ってしまうことだってある。
痛みがあるのに愉快な気分になれるはずはなく、
不安になり、怒りやすくなり、他人への気配りを忘れたりもする。
その結果、痛みはその本人だけでなく、周囲の人たちをも 憂鬱ゆううつ にしてしまうのだ。
したがって、「痛みを我慢する」ことは決して美徳ではない。
さらには「魂を強くする」ことにもなり得ない、はずだ。

「痛みの記憶」がこじらせる

では、痛みって病気の単なる症状なのだろうか?
確かに原因となる病気が治ると、なくなってしまう痛みもある。
しかし一方で、痛みに対して早期に適切な治療を施さず、放っておくと、
大変なことになる場合もある。
痛みを引き起こしている神経の興奮が、新たに激烈な痛みを生み出してしまうのである。
また、元来の痛みにさまざまな悪い要因が重なり合って、
より強い痛みを作り出してしまうこともある。

こむずかしい話になるが、こうしたケースに関しては、
「痛みの記憶」についての研究が進められている。
脳や脊髄の細胞に痛みが記憶され、「遺伝子修飾」という変化を引き起こして、
さらに痛みをこじらせてしまうという事実が判明している。

痛みとの対峙は医の原点

医学の歴史は痛みとの闘いの歴史であり、痛みの仕組みを理解し、
それを克服するための努力の積み重ねであった。
したがって、痛みと 対峙たいじ することは、医療の原点でもある。
しかし、主観、情動としての痛みの深層を、客観的なメスをもってのぞき込むには、
多くの壁があるのも事実である。

末梢神経にある痛み情報の受け皿(受容体と呼ぶ)や、
その情報(インパルス)を脳にまで伝える神経回路、
神経間での情報の受け渡しを担う物質(伝達物質)、
痛みを認識する脳の部位(投射部位)などが明らかにされつつあるが、
すべてが解明されているわけではない。
その人が痛みを感じ、辛いと思っている個人的な情緒的状態に加えて、
周囲の状況、社会的な影響の大小も考慮しなければ、
その本質は見えない。一筋縄ではいかないのだ。

本コラムでは、この厄介な「痛み」にスポットライトを当て、
その成り立ち、「なくしてもよい痛み」と「なくしてはいけない痛み」についても
掘り下げて考えてみよう。
さらには、私が従事しているペインクリニックで見られるさまざまな疾患、
その治療法について紹介していきたい。(森本昌宏 麻酔科医)
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のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
先進医療実施 診断基準(2012年) (1)
学校における脳脊髄液減少症(文部科学省) (1)
子どもの脳脊髄液減少症 (10)
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光過敏・複視・霧視・残像・視力低下 (2)
緑内障 (6)
加齢黄斑変性 (2)
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┣  眼球使用困難症 (2)
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┗  アーレン症候群 (2)
聴覚過敏・車酔いとめまい (1)
耳鳴り (4)
耳菅開放症 (2)
外リンパ瘻 (2)
メニエール病 「中耳加圧治療」 (2)
APD・聴覚情報処理障害 (1)
鼻詰まり (1)
味覚 (1)
嚥下障害 (1)
非歯原性歯痛 (1)
口内炎・ヘルペス・口角炎・味覚障害 (2)
歯肉炎・親知らず抜歯・ドライマウス (1)
顔のしびれ (1)
顎関節症・三叉神経痛・噛み締め (2)
慢性上咽頭炎・EAT(上咽頭擦過療法) (2)
咽頭痛・異物感・息苦しさ・期外収縮不整脈 (1)
リンパ扁桃腺の腫れ・下顎と首のしこり (1)
長引く咳・むせる咳・咳喘息との関連 (2)
甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病) (1)
帯状疱疹 (1)
座位・起立・労作不耐・末梢神経障害 (1)
胸郭出口症候群 (3)
梨状筋症候群 (2)
頚椎症・ストレートネック (1)
肩・肩甲骨・背中・手足の痛み (4)
トゥレット症候群と不随意運動 (1)
血糖値上昇 (2)
反応性低血糖症 (1)
副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
過敏性腸症候群(IBS) (2)
潰瘍性大腸炎(UC) (3)
頻尿・膀胱炎 (3)
┣  ED症状 (1)
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無痛分娩・帝王切開(硬膜外麻酔) (4)
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┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
経頭蓋磁場刺激法(TMS) (3)
反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
経頭蓋直流刺激(tDCS) (1)
むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
椎間板ヘルニア (1)
パーキンソン病 (3)
認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
ヘルプマーク (3)
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インフルエンザ (1)
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