日本人に多い「正常眼圧緑内障」を発症する、ヒトに近い緑内障モデルを発見

2019年10月28日
緑内障
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眼圧が正常範囲のまま緑内障が進行する「正常眼圧緑内障」
検査を進めたところ、
脳脊髄圧の低下、脳脊髄液中の神経栄養因子の濃度低下、
脳の視覚野が萎縮する
など、緑内障患者との共通点が多数見つかったようです。

脳脊髄液減少症を発症すると緑内障だと診断される場合があります。
今回の研究により脳脊髄液減少症にも関連性が見えてくることを願います。


日本人に多い「正常眼圧緑内障」を発症する、ヒトに近い緑内障モデルを発見
2019年10月16日 東京都医学総合研究所
http://www.igakuken.or.jp/topics/2019/1016.html

当研究所 視覚病態プロジェクトの野呂隆彦 研究員(東京慈恵会医科大学眼科)、
原田高幸 参事研究員らは、
マーモセット(*1)が老化すると、一定の割合で緑内障(*2)を発症することを発見しました。

本研究は佐々木えりか 部長(実験動物中央研究所 応用発生研究部)、
中野 匡 教授(東京慈恵会医科大学眼科)らとの共同研究により行われ、
2019年10月16日に英国科学誌 「Scientific Reports」on-line版に掲載されました。

<論文名>
”Normal tension glaucoma-like degeneration of the visual system in aged marmosets.”
(老齢マーモセットにおける正常眼圧緑内障様の視覚システムの変性)

<著者>
野呂隆彦、行方和彦、木村敦子、安土ゆり子、橋本菜名子、守屋恵子、小牧裕司、
李 佳穎、岡原則夫、郭 暁麗、原田知加子、金 義道、中野 匡、常岡 寛、
井上貴史、佐々木えりか、徳野博信、原田高幸

<発表雑誌>
英国科学雑誌「Scientific Reports」
DOI : 10.1038/s41598-019-51281-y
URL:https://www.nature.com/articles/s41598-019-51281-y

研究の背景
緑内障では高眼圧になる(眼球が固くなる)ことが一般的ですが、
日本人では約7割の患者さんが眼圧が正常範囲のまま緑内障が進行する
「正常眼圧緑内障」であることが知られています。

緑内障は我が国で最大の失明原因であることから様々な研究が行われていますが、
マウスなどの小動物では眼球や視神経の構造がヒトとは大きく異なる一方で、
マカクザルなどの大動物では緑内障の発症がほとんど確認されていないため、
適切なモデルが見つかっていませんでした。
そのため、病態解明や根治的な治療の研究開発に限界がありました。

研究の概要
そこで当研究所及び実験動物中央研究所が協力し、老齢マーモセットを調べることにしました。
眼底写真、眼圧、光干渉断層計、網膜電図などを測定したところ、
老齢マーモセットの約10%に正常眼圧緑内障が発症していることを発見しました(図)。

マーモセットにはヒトと同じ篩状板(*3)という構造が存在しますが(マウスにはない)、
ヒトと同様に、緑内障マーモセットでは篩状板が薄くなる傾向も確認されました。
また頭部MRIを撮影して脳の視覚中枢を調べたところ、一次視覚野も萎縮していました。
しかしヒトで緑内障に関係すると考えられている遺伝子
(ミオシリン、オプチニューリン、WDR36)の変異は見られませんでした。

さらに検査を進めたところ、緑内障マーモセットでは脳脊髄圧の低下
脳脊髄液中の神経栄養因子の濃度低下
網膜における酸化ストレスマーカーの上昇に加えて、脳の視覚野が萎縮するなど、
緑内障患者との共通点が多数見つかりました。

今後の展望
高齢化社会の到来とともに緑内障患者数はさらに増加することが予想されています。
そこで適切な緑内障疾患モデルを活用した薬剤や治療法の研究が、今後ますます求められる状況です。
今回の成果はこうした治療法の発見等に大きく寄与することが期待されます。

用語解説
*1: マーモセット
ヒトに近縁な真猿類で体長20cmと小型で取り扱いやすく、繁殖しやすいことからも、
マウスよりも人間に近い実験動物として利用されています。
共同研究者の佐々木部長はマーモセットの遺伝子改変動物の作製と継代を報告しましたが
(Nature, 2009)、これは霊長類では初めてのケースでした。
マーモセットは脳の構造や機能の面でもヒトとの類似点が多いことから、
特に神経疾患研究の領域では世界的な注目を集めています。

*2: 緑内障
目に入ってきた情報を脳に伝達する視神経が障害されて、視野(見える範囲)が狭くなる病気で、
40歳以上の約5%の人に発症します。
代表的な治療法として眼圧を下げる点眼薬や手術がありますが、
それだけでは抑制が難しい患者さんも多いことから、
眼圧以外を対象とした薬剤や治療法の開発などが求められています。

*3: 篩状板しじょうばん
眼球から視神経が出たすぐの場所にある網目状のコラーゲン組織で、
視神経を支えるための構造と考えられています。
しかし高眼圧などで篩状板が変形すると、逆にその部分で視神経が障害されて、
緑内障が進行する可能性もあることから、研究上非常に重要な部位です。
したがって篩状板があり、かつ緑内障を発症するマーモセットは大変有用な疾患モデルと言えます。
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のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
新ガイドライン策定news(2018年12月~) (4)
ブラッドパッチ療法保険適用決定(2016年) (3)
┗  ブラッドパッチ療法保険適用 (2)
先進医療実施 診断基準(2012年) (1)
学校における脳脊髄液減少症(文部科学省) (1)
子どもの脳脊髄液減少症 (10)
起立性調節障害 (6)
体位性頻脈症候群(POTS) (5)
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鼻詰まり (1)
味覚 (1)
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非歯原性歯痛 (1)
口内炎・ヘルペス・口角炎・味覚障害 (2)
歯肉炎・親知らず抜歯・ドライマウス (1)
顔のしびれ (1)
顎関節症・三叉神経痛・噛み締め (2)
慢性上咽頭炎・EAT(上咽頭擦過療法) (2)
咽頭痛・異物感・息苦しさ・期外収縮不整脈 (1)
リンパ扁桃腺の腫れ・下顎と首のしこり (1)
長引く咳・むせる咳・咳喘息との関連 (2)
甲状腺機能亢進症(別名バセドウ病) (1)
帯状疱疹 (1)
座位・起立・労作不耐・末梢神経障害 (1)
胸郭出口症候群 (3)
梨状筋症候群 (2)
頚椎症・ストレートネック (1)
肩・肩甲骨・背中・手足の痛み (4)
トゥレット症候群と不随意運動 (1)
血糖値上昇 (2)
反応性低血糖症 (1)
副腎疲労/副腎疲労症候群 (1)
IgG抗体検査に関する注意喚起 (1)
胃痛・胃液逆流・下痢 (1)
機能性ディスペプシア (2)
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潰瘍性大腸炎(UC) (3)
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┣  PTSDと腸内細菌 (1)
┗  HPVワクチン (1)
パニック障害 (1)
うつ病・抑うつ状態 (6)
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反復経頭蓋磁気刺激(rTMS) (5)
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むち打ち症 (3)
高次脳機能障害 (6)
軽度外傷性脳損傷 (12)
外傷性脳損傷 (4)
遅発性脳障害 (1)
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群 (55)
小児の慢性疲労症候群 (1)
カルニチン欠乏症 (2)
筋痛性脳脊髄炎/線維筋痛症 (42)
慢性疼痛 (10)
腰痛(慢性痛) (2)
神経障害性疼痛 (7)
複合性局所疼痛症候群(CRPS) (2)
神経疾患(脊磁計) (1)
脊髄刺激療法(SCS) (2)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS) (1)
強直性脊椎炎(AS) (10)
筋萎縮性側索硬化症(ALS) (3)
椎間板ヘルニア (1)
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認知症・認知障害・アルツハイマー病 (8)
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