【痛みを知る】脊髄損傷→感覚麻痺→神経の誤作動→不可思議な痛み 森本昌宏

2020年01月14日
神経障害性疼痛
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脊髄は、脳からの命令を体の各部に伝えたり、
逆に各部からの情報を脳に伝えたりする機能を担っている。
頸部(けいぶ)での損傷が多いが、損傷された部位が脳に近い程、
麻痺を生じる範囲は広くなってしまう。


【痛みを知る】脊髄損傷→感覚麻痺→神経の誤作動→不可思議な痛み 森本昌宏
2020.1.14 産経ニュース
https://www.sankei.com/life/news/200114/lif2001140002-n1.html

脊柱(背骨)のなかを走っている脊髄(脳から伸びている神経の束)が障害される「脊髄損傷」は、
さまざまな事故などによって引き起こされる。
たとえば、交通事故やスポーツ、墜落によって脊柱が潰れる、などである。
その他にも腫瘍や梗塞、出血などによって脊髄が直接的に障害される、
といったことも原因となる。


年間4000人発症 若者に多い
脊髄は、脳からの命令を体の各部に伝えたり、
逆に各部からの情報を脳に伝えたりする機能を担っている。
したがって、損傷されるとその部位以下の神経機能(運動や感覚)が麻痺(まひ)し、
自力での排尿や排便が困難となり、呼吸機能の低下などを生じる。
頸部(けいぶ)での損傷が多いが、損傷された部位が脳に近い程、
麻痺を生じる範囲は広くなってしまう。

わが国では、年間4千人程度の発生がみられているが、
これらの多くが15~35歳の若者であることは、深刻な問題である。
健康な若者が、ある日突然、手足が動かなくなり、触れられてもまったく分からなくなるのだから、
そのショックは計りしれない。

脊髄損傷に伴う症状は、直後に起こる場合と、
脊髄周辺の出血や浮腫(むくみ)によって徐々に進行する場合とがあることから、
交通事故による「頸椎(けいつい)捻挫」(いわゆるむちうち症)であっても、
早期に適切な診断と治療を受けるべきことは言うをまたない。


再構築の過程で起こる神経の過剰活動
治療は、早期には副腎皮質ホルモン薬の投与、脊髄を圧迫している骨片や異物、
血液を除去して背骨を固定する手術などが行われている。
その他では、リリカや抗(こう)うつ薬の仲間であるサインバルタが用いられている。
1週間以内に運動や感覚に改善傾向がみられる場合には、他の身体機能の回復も期待できる。
一方で6カ月経(た)ってもこれらの機能が元に戻らない場合には、
恒久的な麻痺となることが多い。
これに対しては、現在、再生治療として、
さまざまな細胞を培養して体内へ注入する治療法が考案されている。

さて、恒久的な障害を残した場合に、数週間~数カ月後に、
感覚が麻痺している部位に痛みを生じることがある。
触ってもつねっても分からないのに痛いといった不可思議な痛みが起こるのである。
この痛みは「脳卒中後痛」と同様に、“求心路遮断痛”としてのメカニズムによって発生する。
つまり感覚を脳へと伝える神経の経路が損傷されると、
その再構築の過程で神経の過剰活動が起きて、痛みを引き起こすのである。

私は、この痛みに対して“脊髄刺激療法”(脊髄の背側に存在する空間に電極を挿入して通電する)を
多く行ってきたが、その経験からは、脊髄機能の一部が残されている“不完全損傷”では、
これにより良好な効果を得る可能性が高いと考えている。

【プロフィル】森本昌宏(もりもと・まさひろ)
大阪なんばクリニック本部長。
平成元年、大阪医科大学大学院修了。
同大講師などを経て、22年から近畿大学医学部麻酔科教授。
31年4月から現職。医学博士。日本ペインクリニック学会名誉会員。
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のぞみ
この記事を書いた人: のぞみ
<発症原因>
中学時にいたずらによる椅子引きで
尾骨を骨折する
原因不明の多彩な症状が現れ
寝たきり車椅子生活となる
ドクターショッピングを重ね
脳脊髄液減少症だと
診断確定したのは発症から10年後

<診断・検査・治療病院>
国際医療福祉大学熱海病院

<検査結果>
画像診断より
腰椎から複数の髄液ダダ漏れ
脳下垂・硬膜肥厚・静脈拡張
髄圧一桁・残存率一桁の所見あり
脳脊髄液減少症と診断確定

<再検査>
先進医療が実施され再検査の結果
胸椎からの髄液漏れ有り
診断基準に該当
脳脊髄液(漏出症)と診断確定

<病歴20年・治療後10年・男性>
ブラッドパッチ療法2回
アートセレブ(人工髄液)髄注1回

<治療経過>
発症から20年、治療から10年経過
診断前後の7年間は介助が必要な
寝たきり車椅子生活となりましたが
治療+自己流リハビリを重ねて
多彩な症状は消失しましたが
僅かな頭痛・倦怠感の残存症状があり
共存しながらも社会復帰に至りました
全完治まであと一歩です
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